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 公園に入ると、目の前に小さな踏切。カンカンカンと、今まさに遮断機が下りて…下りて…下りてこないで水平に回転しはじめた。な、なにこれ。息子と二人で頭の上に「?」をたくさん点滅させていると、やがて遮断機は通行人が線路内に侵入できないよう、見慣れた位置で止まった。

すると、すぐ横で汽笛を鳴らし、小さな青い機関車が動き出し、踏切を通過していく。連なる車両にまたがっている子供も大人もみーんな笑顔だ。つられてこちらも笑ってしまう。

 私たち家族が隅田川、荒川、中川を越えて訪れたのは、葛飾区新宿(にいじゅく)にある、新宿交通公園。神奈川県の我が家からはなかなかに遠いところだ。

 JR常磐線、京成線の「金町駅」が最寄で、そこから徒歩20分。都営バス「亀有警察署前」から徒歩5分という立地で、どこからでも気軽にふらりと訪れられるような場所ではない。けれども、私には勝算があった。絶対息子は大はしゃぎするはずと。そして、夜もぐっすり眠ってくれるはずと。

 3歳11ヶ月の息子は、とにかくのりものが好き。家の中では町並みを描いたカーペットやトミカの高速道路セットの上でミニカーを走らせ、外ではキックバイクや補助輪付き自転車をかっ飛ばす。そんなタイミングでの交通公園。しかもミニ鉄道もあるとくれば、ふふふ、勝ったも同然だ。

 そして今まさに、息子は公園に入って3秒で踏切とミニ機関車に大興奮。母、1点先取。ここからさらに波状攻撃で畳み掛けるのである。

 葛飾区の公式サイトによると、新宿交通公園は昭和44年に子供達が交通ルールを楽しく学ぶ場として開園。自転車、補助輪付き自転車、三輪車などを無料で借りることができ、信号機や標識、ミニ鉄道や踏切などの設置されている園内を交通ルールを実践しながら走り回ることができる。

また、現役を退いた本物の都営バスの車両や、ボンネットが印象的なレトロな消防車も展示されていて、運転席などに乗り込むことができる。息子も嬉しそうに座ってみたが、足をピンと伸ばしてもアクセルに届かず…残念(笑)。

 ちなみに、私の心をくすぐる「新宿交通公園驛」との看板の掲げられたミニ鉄道の駅舎は、木材を重ねたラップサイディングがアーリーアメリカンな雰囲気。古びているけれどラブリー。それと、ここを走るミニ機関車の中には、実際に石炭を燃やし、もくもくと煙を吐きながら走るものがあるということ。

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諸岡 なほ子
諸岡 なほ子
福岡県大牟田市出身のタレントで、現在、一児の母。作詞家(MONA)としても活動。趣味は読書、散策、落語鑑賞、お祭見物&参加。世界遺産検定2級取得。TBS系「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンター、MBS「住人十色」訪問者など多数出演。著書に『地球のどこかの秘境から』(実業之日本社)。
オフィシャルブログ http://ameblo.jp/nahoko/