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テレビの世界に憧れたことがある。大学生の頃だ。
しかし就職活動では小さな番組制作会社にさえも書類で落とされてしまう。なんせドラマが好きとかドキュメンタリーが作りたいとか、具体的な目的がないのだ。こうなればADは諦めて大道具とか衣装係でもいっかなあなどと早々に妥協しはじめていた頃、仲良しのT子がテレビプロデューサーと付き合い始めたという。「よしえの話をしたら、彼がすぐバイトできるように話をつけてやるって」とT子が言う。いかにも業界らしい展開に私はときめいた。こうして夏休み、とある深夜ドラマ番組のADとして私はデビューした。そこで出会ったのが今回の主人公トーヤマ。友人の彼氏プロデューサーではなく、その”対極”にいた下っ端ディレクターだ。ADの仕事は想像を越えた世界だった...
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●さくらいよしえ 大阪生まれ。日本大学芸術学部卒。「日刊ゲンダイ」や雑誌「散歩の達人」「旅の手帖」などで執筆中。 →さくらいよしえツイッター →さくらいよしえブログ 《著書紹介》 ・にんげんラブラブ交叉点 ・読みキャベ ・立ち飲み天国 東京篇
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