ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります

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ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります

★★★★☆(4/5)

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映画評

モーガン・フリーマンとダイアン・キートンという大物俳優のふたりが、意外にも初共演。だが、映画を観ると、本当に長年連れ添った夫婦のように見えてくる。映画史に残るふたりにこんな言葉を使うのは失礼だが、それでも「さすがだな」と思わされる。

ブルックリンの美しい景色を一望できるアパートメントの最上階に暮らしている、画家のアレックス(モーガン・フリーマン)と愛妻・ルース(ダイアン・キートン)。若かりし日、将来への希望を弾ませてふたりで手に入れた理想的なこの部屋。しかし40年が経ち、エレベーターがこのアパートメントは、階段の上り下りが老体にこたえるようになった。そこでルースは、今後のことを考えて、アレックスを説得してこの部屋を売り、新居探しをすることに。

ふたりがアパートを購入した1960年代のその場所は、アーティスト以外は住みたがらないエリアだったという。だがいまや1億円クラスの値がつく高級アパートに変ぼう。不動産エージェントのリリー(シンシア・ニクソン)を介して、この部屋の購入希望者を募るが、内覧会での人間模様、どんどん金額がつり上がっていく入札システム、アパートの近くで起きたテロ事件の影響…と、部屋を売るにもいろんな物事が微妙に影響しあっていく様がおもしろい。

そういった不動産ネタを絡めつつ、それぞれの感情のドラマが秀逸。若い頃に眺めのいい部屋を買って、そこからいろんな景色を見てきたアレックス。彼の「必要な眺めは見尽くした。“眺め”とは、若い人が見るべきなのだろう」という言葉が味わい深い。かつての自分がそうだったように、才能や夢に溢れる若者に未来を託したいという想い。

ルースも、部屋を手放すのは惜しいが、アレックスのことを考えて、新居を探す部分が夫への愛情がいっぱいにあふれていてほほえましい。何があってもアレックスを支えてきた彼女は、言いたいことはズバリと言うが、しかし夫の立場もしっかりと立てる。新しい部屋の購入を決めたアレックスが、あることをきっかけに売り主の夫婦に物言いをしようとした際、「彼に最後まで言わせてあげて」とルースがその場を取り仕切る場面が印象的。

家を売る、買う。それは人生の中でも一大イベント。でもそこにはビジネスも含めたくさんの思惑が絡み合う。最後に何を大事にして決断すべきなのか。そのヒントを教えてくれる物語。

監督/キャスト等

■監督:リチャード・ロンクレイン
■出演:モーガン・フリーマン/ダイアン・キートン/シンシア・ニクソン
■配給:スターサンズ
■公開:1月30日

関連サイト(外部リンク)

http://www.nagamenoiiheya.net