下町の紙芝居師が届ける、ぱんだの願い(紙芝居師三橋とら編)

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 紙芝居発祥の地と言われる荒川区に、荒川区出身の紙芝居師の若い女性がいて、近々地元のイベントで上演されると知り、私は早速会いに行くことにした。

紙芝居といえば、私だってリアルタイムに経験したわけではないけれど、自転車の荷台に紙芝居の装置である大きな木箱を乗せて公園にやってきたおじさんが、拍子木を叩きながら「紙芝居が始まるよ?」とかなんとか言って子供達を集め、駄菓子を売りつつ黄金バットを上演する、というイメージだ。

時代は昭和の戦後復興期。町には空き地がたくさんあって、鼻水を垂らした子供が放ったらかしの土管の中に秘密基地を作ったり、棒っきれで野球をして近所の家の窓ガラスを割ってしまったり、女子はゴム跳びなんかしていたのだろうか。

そんな昭和の雰囲気も味わえるのかな?という期待を胸に、イベントが行われている三ノ輪駅の近くの公園へと向かった。

 その紙芝居師の名前は、三橋とら。
東京下町の出身であるために、フーテンの寅さんにちなんだ「とら」という名前を、以前所属していた劇団の仲間がつけた。しかしこの日は、「とら」ではなく「ぱんだ」なのだそう。

実は、新キャラをデビューさせるとのことで、白塗りした顔の目の周りだけを黒っぽく隈取りし、「とーきょーぱんだ」という名前で上演するのだ。まるでふわふわした東京名菓ような名前だ。

しかし、上演前にあれこれ準備している姿を見ると、パンダのように丸っこい輪郭ではないために、どちらかというとミーアキャットのようだ、なんて思ってしまう。ま、どっちにしても子供に人気がありそうだし、いっか。