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 大行列に並び始めて早1時間が経とうとしている。冬至らしい過ごし方をと思い、南瓜や柚子湯とともに思い浮かんだ穴八幡へと軽い気持ちで来てみたが、すでに後悔し始めている私がいる。はぁ、どうしたもんかなあ。ため息とともに見上げる空だけは、雲一つない晴天だ。

 冬至の今日、穴八幡だけで授与されている「一陽来復」と書かれた御守りは一風変わった形をしている。上に向かって広がっている円筒状になっており、中には金柑と銀杏がひとつずつ見えないように包まれているのだ。

金柑の金、銀杏の銀で金銀財宝をあらわしており、この御守りを冬至の日の夜中の0時か、大晦日、節分の夜中0時に恵方に向けて貼れば、新年「金銀融通」のご利益があると言うもの。中々細かいルールが決められているのだが、要するに金運上昇を願う現世利益そのものの御守りだ。

 私の中に広がりつつある後悔とはつまり、その欲望むき出しの御守りのために、ここにこんなに長い時間並んでいる自分が、なんだか情けなくなってきてしまったのだ。そういえば、前に来た時も同じような気持ちになったのだった。ちょっと恥ずかしい列に並んでいる自分に誰も気づきませんように・・・と。

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諸岡 なほ子
諸岡 なほ子
福岡県大牟田市出身のタレントで、現在、一児の母。作詞家(MONA)としても活動。趣味は読書、散策、落語鑑賞、お祭見物&参加。世界遺産検定2級取得。TBS系「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンター、MBS「住人十色」訪問者など多数出演。著書に『地球のどこかの秘境から』(実業之日本社)。
オフィシャルブログ http://ameblo.jp/nahoko/