COP CAR コップ・カー

★★★☆☆(3/5)

(C)COP CAR LLC 2015

映画評

キャッチコピーは「ガキども 遊びは終わりだ」。そして、サングラス&角刈りのケヴィン・ベーコンの顔がドーン。タイトルはそのまんま、『コップ・カー』。奇をてらうことは一切なし。やたら男気に満ちた本作は、内容もワンアイデアで押し通す、最初から最後まで潔ぎよいクライム・サスペンス…否、もはやこれはブラック・コメディーだ。

まるで『スタンド・バイ・ミー』を思わせる、好奇心と悪戯心あふれるふたりの少年が、荒野で偶然、一台のパトカーを発見。彼らは車に乗り込み、悪ふざけで運転しはじめる。最初は恐るおそるだったが、そのうち時速100キロにチャレンジするなどエスカレート。しかし、トランクの中から半殺し状態の男を見つけて、状況一変。実はこのパトカーは、悪徳警官(ケヴィン・ベーコン)のもので、秘密を隠したパトカーを盗まれて、必死の形相で警官は、少年たちの行方を追っていた!

物語の舞台となる架空の地域クインラン・カントリーは、1958年の映画『黒い罠』でオーソン・ウェルズが演じた悪徳刑事ハンク・クインタンの名前をモチーフにし、パトカーのナンバープレート「149PCE」は、スティーヴン・スピルバーグの1971年作品『激突!』でタンクローリーに追跡される主人公の車のナンバーにちなんでいる。映画の内容にあわせて、かつての名作の数々を引用しているが、しかし特に大きな意味もなくトリビア程度になっているのが、妙な映画愛を感じさせる(笑)。

冒頭で、卑猥な言葉を連呼し、ちょっとアダルトな興味を持ち出した少年たちが、暴力、車、銃など大人の狂気やダークさを味わって半泣きに。大人になんてなりたくない、そんな叫び声が聞こえてきそう。

登場人物はかなり少なく、誰もがみんなアンハッピー。監督を務めるのは、“新『スパイダーマン』シリーズ”に抜てきされたジョン・ワッツ。ちなみに前作『クラウン』も、子どもを喰うピエロを題材にしたホラー。なかなか悪趣味なところに、逆に今後の作品づくりへの期待感がふくらむ。

監督/キャスト等

■監督:ジョン・ワッツ
■出演:ケヴィン・ベーコン/ジェームズ・フリードソン=ジャクソン
■配給:コピアポア・フィルム
■公開:4月9日

関連サイト(外部リンク)

http://cop-car.com
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田辺 ユウキ
田辺 ユウキ
1979年生まれ。関西を拠点に映画評論家としてレビューやインタビューの執筆ほか、また映画と音楽のプロモーターも務める。2014年に大阪市映像事業「CO2」プロデューサー就任。「大森靖子映画祭」「いずこねこ 最後の猫トーク」などイベント企画も行う。