ミラクル・ニール

★★☆☆☆(2/5)

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映画評

1960年代から活動し、あのジョン・レノンが「生まれ変わるなら、ビートルズではなくモンティ・パイソンに入りたい」とまで言った伝説のコメディー集団、モンティ・パイソン。

2012年のロンドン五輪閉会式に登場(実況のアナウンサーがモンティ・パイソンのことを知らず、「アーティスト」と紹介して、グループのことに一切触れなかった、かの炎上中継!)するなど、このところまたまた精力的にパフォーマンスを行っているが、今作ではテリー・ジョーンズが監督・脚本・声優、そしてジョン・クリーズ、テリー・ギリアム、エリック・アイドル、マイケル・ベイリンが声優として大集合。彼らが揃ったのは、モンティ・パイソン好きは嬉しい!

しかも、ノリにノッてるサイモン・ペッグが主演を務め、2014年に衝撃の死を遂げたロビン・ウィリアムズにとっては「最後の出演作」と新旧コメディースターが顔を揃えるという豪華さ。「奇跡の共演」というキャッチコピーは単純ながら、しかしまさにその通り。これだけのメンバーを前に、わざわざシャレを聞かせるような言い回しは、野暮ってもんだ。しかし、だ。お話までこんなに単純明快にしなくても(苦笑)。

ある理由によって、宇宙人から全知全能のパワー、すなわち何でも願い事を叶えられる力を、期間限定で与えられた学校教師・ニール(サイモン・ペッグ)。死人を生き返らせたり、校長先生からの好感度をあげたり、密かに想いを寄せる女性と甘い一夜を過ごしたり。誰もが考えうる欲望を次々と叶えていく。そうするうちに、何でも思い通りになる人生に違和感を覚え、自分のためではなく「世のため人のため」に能力を使おうとする。ところが今ある戦争をなくそうとすると、平和であるはずの国の情勢が乱れたり、温暖化を改善すると、また別の問題がぼっ発したり。世界は複雑な秩序によって成り立っていることに、ニールは気づいていく。

天下のモンティ・パイソンに敬意をあらわしても、「悪くはない」という感想で精一杯。やっぱり、これだけのコメディースター映画だからこそ、もっともっとふざけて欲しかった。毒がないので、どうも食い足りない。

エンドクレジットのロビン・ウィリアムズの姿に象徴されるように、最後の最後まで何となく良い話になっちゃってるのが、もったいない。

監督/キャスト等

■監督:テリー・ジョーンズ
■出演:サイモン・ペッグ/ケイト・ベッキンセール/モンティ・パイソン/ロビン・ウィリアムズ
■配給:シンカ
■公開:4月9日

関連サイト(外部リンク)

http://miracle-neil.jp
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田辺 ユウキ
田辺 ユウキ
1979年生まれ。関西を拠点に映画評論家としてレビューやインタビューの執筆ほか、また映画と音楽のプロモーターも務める。2014年に大阪市映像事業「CO2」プロデューサー就任。「大森靖子映画祭」「いずこねこ 最後の猫トーク」などイベント企画も行う。