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ロックバンド・Vampillia(ヴァンピリア)の音楽世界をもとに、新鋭・酒井麻衣監督が、ライブの照明技師を目指すヒロインのさまざまな想いを綴るダークファンタジー『いいにおいのする映画』が、全国で大ヒットしている。

本作で、金子理江演じる少女・レイの幼なじみであるカイトを好演したのが、吉村界人。1993年生まれで、松田龍平、松田翔太、森山未來らの活躍で知られるオフィス作に所属する若手俳優だ。

2014年に『PORTRAIT』で主演デビューを果たした吉村。2016年は、野村周平の同級生役で、序盤のわずかな出演ではあるが、それでも印象を残す『ちはやふる 上の句』(公開中)をはじめ、神木隆之介のクラスメイトの不良学生役で姿を見せる『TOO YOUNG TO DIE 若くして死ぬ』(6月公開)、さらに柳楽優弥、菅田将暉ら若手実力派が揃う『ディストラクション・ベイビーズ』(5月公開)、震災から5年後の福島が舞台の『ハッピーアイランド』(12月公開予定)など出演作が多数。

そんな中、金子理江とのダブル主演を務めた『いいにおいのする映画』は、飛躍する吉村界人にとって代表作となりうる1本。ある出生の秘密を抱えながらも、想い合っているレイのため、もがくカイト。離ればなれになった両親が辿った悲劇と、誰にも知られてはいけない運命を引き継ぎ、少しずつ闇に引き込まれそうになる姿を、熱のこもった芝居で魅せている。

ワイルドな風貌と、誰にも媚びないような芯の通った雰囲気。その鋭い目つきは、危険さすら感じる。彼のingstagramにはたくさんの写真がアップされているが、奇抜なメイクを施していたり、舌を出したパンキッシュな表情を見せていたりと、今までの俳優像とは少し違う“型破り感”がある。写真家・蜷川実花も、自分の雑誌連載にて吉村界人の撮影を行い、ingstagramで「この世代は本当に面白い。世界に対して怒っているのも良い。」とコメント。

今後、さらなる活躍が期待されている吉村界人。まずは2016年の公開作で、彼のきわだつ存在に注目してほしい。

『いいにおいのする映画』公式サイトはこちら
◇公式HPはこちら


取材/文・写真 田辺ユウキ(映画評論家)

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田辺 ユウキ
田辺 ユウキ
1979年生まれ。関西を拠点に映画評論家としてレビューやインタビューの執筆ほか、また映画と音楽のプロモーターも務める。2014年に大阪市映像事業「CO2」プロデューサー就任。「大森靖子映画祭」「いずこねこ 最後の猫トーク」などイベント企画も行う。