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 展望デッキで息子に話しかけながらも、私は列車の近づいてくる音に耳を傾け、カメラの中の狭い世界に次の新幹線が滑り込んでくるのを待っていた。そしてついに列車が画面の中に登場。しかし、またしても手前の木の枝にオートフォーカスしてしまう。んむ?!っと苦戦しながらなんとかその姿を捉えようとシャッターボタンを押し続けていると、私たちのすぐ後ろの少年のパパが驚きの声を上げた。「え、マジ?今のEast i(イーストアイ)だ!!」

 ん?East i、East i・・・って、ええっ、まさか、あのEast i!?

遠のく走行音の方へと目を向けてももう車体は見えない。私は慌ててカメラの画像再生をしてみる。すると、ピントの合ってない幾つかの写真の中に、一枚だけなんとかそれなりに見られるものがあった。そこに映っていたのは、白い車体に赤いラインが1本。先頭車輌には「East i」の文字。うわっ、本当だ。本当にEast iだったんだ!

 そこから異様に興奮する私に息子も夫もキョトン。
「なにそれ」の質問に喜々として答える。

「ドクターイエローみたいに、走りながら新幹線の設備を検査する列車だよ!」

 ドクターイエローがJR東海と西日本の所有で、東海道・山陽新幹線の定期検査をするのに対し、East iはJR東日本の所有で東北、上越、北陸、北海道、山形、秋田新幹線の検査を一手に引き受けている。裏方の車輌ゆえに走行する時刻は公表されておらず、目にする機会も珍しいため、ネット上には目撃情報がアップされていたり、縁起物としてありがたがる人がいたり、電車好きの子供のためにどうしても時刻表が知りたい!と呟く人がいたりする。それほどまでに人気の列車のひとつなのだ。

 息子は、単語を20個も覚えていないような時から「ターロー」と言いいながらドクターイエローのプラレールを手転がししていた。それと同じくらいスゴイ電車なんだよ!と伝えたいのだが、ドクターイエローの分かりやすい黄色の車体に対し、East iの配色はありふれた感じで、ひけを取っている感は否めない。いやでも、だからこそお母さんはときめいた! まるで新幹線界のクラーク・ケントじゃないか!!(謎)

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諸岡 なほ子
諸岡 なほ子
福岡県大牟田市出身のタレントで、現在、一児の母。作詞家(MONA)としても活動。趣味は読書、散策、落語鑑賞、お祭見物&参加。世界遺産検定2級取得。TBS系「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンター、MBS「住人十色」訪問者など多数出演。著書に『地球のどこかの秘境から』(実業之日本社)。
オフィシャルブログ http://ameblo.jp/nahoko/