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京都映画祭の志しと伝統を受け継ぎ、2014年より「映画もアートもその他もぜんぶ」という独自のテーマを掲げてスタートした、京都国際映画祭(10月13日~16日)。3回目となる今回のプログラム発表会見が、よしもと祇園花月(京都市)で行われた。

3年目となる今回は、1994年に世界遺産として認定された元離宮二条城にてオープニングセレモニーを実施するなど、これまで以上に京都の町と密着し、その魅力に特化。キャッチコピーは、「京都上ル上ル」。司会を務めたブラックマヨネーズから「京都はクリエイティブな町、新鮮なステージに上がる、上がる」とそのコンセプトについて説明があり、門川大作京都市長も「京都映画祭の伝統を引き継いでいただき、3回目となりました。映画、アート、物作り。その伝統を大事にしながら、創造的な文化を作り上げている。京都市としても一生懸命支援したい」と心強い言葉をかけた。

今回は、ドキュメンタリー映画が非常に充実しており、オープニングを飾るのは、京都国際映画祭でプレミア上映となる『MIFUNE:THE LAST SAMURAI』は日本が誇る名優・三船敏郎にまつわる作品。公開して2か月が過ぎてもなお、都内の劇場で連日満席を記録するなど全国で大ヒット中『FAKE』の森達也監督の特集も組まれている。森監督は「庭の薄暗いところの石をひっくり返すと、光を嫌った虫がいっぱいいる。それがドキュメンタリーみたいなもの。今回のような、きらびやかなところに呼んでいただいて、戸惑っています」と謙遜しながら、ドキュメンタリーの持ち味を伝えた。

『ニセ札』など監督作品も発表してきた芸人・木村祐一は、107組にも及ぶ吉本所属芸人へ行ったインタビューの中から、抜粋・編集した作品『ワレワレハワライタイ ウケたら、うれしい。それだけや。』を上映。「笑福亭仁鶴師匠、チュートリアル、今田耕司さんなど、普段は語られることのない私生活な部分を映しています」と見どころについて話した。

京都国際映画祭の総合プロデューサー・奥山和由は「京都国際映画祭での初出し作品を探していますが、『ウォーナーの謎のリスト』という作品に出会うことができました。ラングドン・ウォーナーという方は、第二次世界大戦中、二条城をはじめとして、戦争で空爆をしてはいけない150か所のリストを作ったそうです。もし空爆で京都の神社、仏閣などが破壊されたとき、世界的な打撃になると。京都は素晴らしい文化の発信地として、包容力を持っています。1回目に産声をあげ、2回目は育ち盛りのように、やりたいようにやりました。今年は、成人して、社会に責任を果たしていくような映画祭にしていきたい」と意志を掲げた。

映画の上映だけではなく、京都市役所前広場では永井英男『B-PROJECT “へそで投げろ”』という全長9メートルの巨大レスラーが、実物の自動車をバックドロップしている作品の展示、元・立誠小学校では「よく遊び、よく学べ」をテーマに、タレントとしても活躍している蛭子能収さんが「漫画家である」ということを取りあげた展示も実施されるなど、来場者を幅広く楽しませる。

チュートリアルが店長を務める架空のカフェ・大覚寺カフェでは、仏教芸人としても知られる笑い飯・哲生が講師となり、参加者が写経を体験できるとのこと。哲生は「少し前に大覚寺さん写経の哲生塾をやらせていただいて、女性限定で20名に来ていただきました。でも、格式高いご本尊の前だったので、静かにやったら、お坊さんから『もっと笑いをいれなさい』と注意されたので、今回はもっと笑わせます」とリベンジを誓った。

記者会見の最後には、京都と京都国際映画祭の架け橋となるべくゲスト、今くるよ、清水圭が登壇。清水は「僕は映画が大好きで、この場所が祇園花月になる前、(映画館の)祇園会館だったとき、ビートルズの映画4本立てなど観に来ました。サッカー部の練習があったけど、「身体が悪い」と休んで。(映画祭は)3年目ということで、でも京都の歴史からしたら1秒2秒のもの。ただ、活動写真など昔の歴史のあるものも若い人に見て欲しい」と呼びかけた。

くるよも「私も映画が大好き、架け橋ガールのくるよです! 京都に来ると、町の方々が『どやさ、おかえり』と声をかけてくれるんです。京都国際映画祭に向けて、町がざわついている。(映画祭が)おなじみになっている。どやさですわ。なじんでくれてはる。『どやさ、どやさ』と言いながら映画祭に来てください」と架け橋ガールとしてPRに励んだ。

「京都国際映画祭2016」2016年10月13日~16日開催
◇公式HPこちら

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田辺 ユウキ
田辺 ユウキ
1979年生まれ。関西を拠点に映画評論家としてレビューやインタビューの執筆ほか、また映画と音楽のプロモーターも務める。2014年に大阪市映像事業「CO2」プロデューサー就任。「大森靖子映画祭」「いずこねこ 最後の猫トーク」などイベント企画も行う。