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 昔、お風呂屋さんには「三助」という人がいた。私も、本や映画で見たことがある。洗い場でお客の背中を洗う「ながし」を行う人だ。

この、日本で最後の三助さんがいたのが、日暮里斉藤湯。ならば、立派な唐破風や、富士山のペンキ絵、ケロヨンの黄色い洗面器など、それはそれは古き良き銭湯の姿が今も残っているのではないだろうかと足を運んでみることにした。

けれど、そこにあるのは決してそんな懐古主義的な銭湯ではなかった。むしろ最先端の設備を備えたタイル貼りのビル銭湯。とはいえ、お風呂はお風呂。体の芯から温まるぞと、バッグにタオルを詰め込んでやってきた。

 それにしても綺麗だ。2015年に建て替えられたばかりで、今も新築の輝きを放っている。設備も充実していて、ジェットバスや寝湯、電気風呂や人工炭酸泉などがある。露天風呂はシルキー風呂と言ってミクロの泡がまるで入浴剤を使ったように浴槽全体を乳白色に見せている。

壁に貼られた小洒落たデザインの解説を読むと、どうやらこの泡、マッサージ効果があるだけでなく毛穴の汚れや老廃物まで取り去ってくれるそうだ。試しに両手ですくってしばらく眺めていると、泡が消えて透明なお湯へと戻っていく。魔法のようだ。

そう、下町の銭湯に欠かせない熱湯もあった。ほっ。また、浴槽内のお湯もカランやシャワーから出てくるお湯も、すべて井戸水を浄水した弱アルカリ性の軟水だそう。確かにシャワーを使っていてもなんとなくヌルッとした感触があり、これが肌に優しいのだそうだ。

こんなスーパー銭湯かおしゃれなスパ並みの設備を備えておきながら、通常の銭湯の入浴料金(大人460円、6~12歳180円、6歳未満80円)で利用できるというから驚きだ。午後2時のオープン直後からたくさんの人で賑わっているのも納得。洗い場のカランはすでに9割埋まっていた。

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諸岡 なほ子
諸岡 なほ子
福岡県大牟田市出身のタレントで、現在、一児の母。作詞家(MONA)としても活動。趣味は読書、散策、落語鑑賞、お祭見物&参加。世界遺産検定2級取得。TBS系「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンター、MBS「住人十色」訪問者など多数出演。著書に『地球のどこかの秘境から』(実業之日本社)。
オフィシャルブログ http://ameblo.jp/nahoko/