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安藤サクラ主演『百円の恋』で日本アカデミー賞最優秀脚本賞などを受賞した足立紳の初監督映画『14の夜』。本作の先行試写会がシネ・リーブル梅田(大阪市内)で開催され、足立監督、そして主題歌『わかってんだよ』を担当したキュウソネコカミのヤマサキセイヤ、ヨコタシンノスケが舞台挨拶を行った。

本作は、1987年の田舎町を舞台に」女性への興味で頭がいっぱいな中学2年生たちの一晩の出来事を描いた物語。「女の子に触りたい!」と強く願いながら、一方で「俺たちには武器がない」と体育会系でも文科系でもない“普通コンプレックス”に悩み、女性と親密な関係を結べないのではないかという不安に覆われていく。

ヤマサキは、「僕たちがちょうど1987年生まれなんです。インターネットが普及する前をぎりぎり知っている世代。だから、主人公たちのエロの探求に共感できました。登下校の途中、ひからびたエッチな本が落ちていたら、友だちと『あ、落ちてるね』って感じで通り過ぎるけど、いつここに戻って来ようかずっと考えるんです。大体、次の朝イチに行っていましたね(笑)」と思春期を振り返ると、女性ファンで埋め尽くされた場内からも笑いが起きた。

足立監督が「6割5分くらいが実体験」という、本作の物語。ヤマサキは「僕も中高生時代は自分に誇れるものがなかった」という。「脚本の中で(主人公の)タカシと重なるところがあったんです。『わかってんだよ』の歌詞は、そういう自分の経験と重なるところがうまく書けました。キュウソとしてもめちゃくちゃ大事な曲。実は、バンドとしてちょっと悩んでいる時にできた曲なんです。そういう部分でも『14の夜』には本救われました」

一方、ヨコタは「タカシのお父さんの姿が印象的だった」と語る。「脚本を読んだときも、台詞などからかっこ悪さが出ているけど、実際に映像として動いているものを観ると、めちゃくちゃ情けなく映りました。信じられないくらい、情けない。でも、もしあれが自分のお父さんだったら、どうなっていたかなって思いました。『なんか、腐るなあ』って。きっと僕も、タカシみたいな鋭い目つきになっていたはず」

平凡な自分、ボロボロの家庭、そして女っけなし。逆に不良たちは、かわいい女の子に囲まれている。タカシたちには、「ヤンキーにもなれない鬱憤」がたまっていく。

ヨコタは「そこはキュウソに通じています。バンドって華やかなイメージがある中で、確実に影の部分もある。(ポジション的に)キャーキャーと言われている人たちのところではないし、かといってすごく濃いキャラクターでもない。何者にもなれないけど、それでも、少なからずチヤホヤされたいところがあって。『なんか、小物っぽいよね、俺たち』という感じです」とバンドの姿を重ねた。

足立監督は「キュウソの主題歌が素晴らしく、主題歌だけは自信があるのですが(笑)」とおどけながらも、「『主題歌は良かったけど、映画も負けてなかった』と言ってもらいたい」とアピール。

ヤマサキは「アイドルみたいな感じでやっているバンドもある中で、『14の夜』の主題歌は、“自撮りが綺麗なバンドマン”には作れない歌詞が書けた」、ヨコタも「足立監督の最初の監督作品に抜擢してもらって、プレッシャーがあった。ただ、映画も面白いし、俺たちの曲もすごくいい」と自信をみせた。

映画『14の夜』は全国公開中
◇公式HPはこちら