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『タクシー・ドライバー』『ディパーテッド』などで知られるマーティン・スコセッシ監督が、遠藤周作の小説を映画化した『沈黙-サイレンス-』(公開中)。本作の大ヒットを記念した舞台挨拶がTOHOシネマズ梅田(大阪市)で行われ、窪塚洋介が舞台挨拶を行った。

ポルトガル人の宣教師たちを長崎へと導く男・キチジローを演じた窪塚は、世界的な名匠、マーティン・スコセッシ監督が作り出したこの巨編について「ただならぬ、得体の知れぬ懐の深さに驚愕しました。(カットされた場面の中で)エモーショナルに芝居ができているものもあったけど、違うテイクが使われていたりして。僕の中で思い描いていたキチジローとマーティンの中のキチジローの捉え方の違いを、作品を通してキャッチボールできた」と語った。

江戸時代の厳しいキリスト教弾圧を描いたこの映画は、日本公開前にバチカンで上映。窪塚は「バチカンでも大盛況で、ローマ法王がキチジローのシーンで爆笑したと聞きました」と驚きを口にし、「スコセッシはとんでもない映画を作ったんだなと思いました、世界のベストセラーである聖書を超える映画を世に送り出した。よく、『ハリウッドデビューおめでとうございます』と言われるけど、そういうことではなく、この映画で大きな意味のある役をもらえたことに、光栄な気持ちです」と神妙な表情で話した。

しかし、「1カットを撮るのに最低でも10回はテイクを撮っていく。(宣教師の)ロドリゴとガルテの別れるシーンは、100回くらい撮っていた」とのことで、カットされた場面も多く、「もっとエモーショナルに芝居ができたところがあったけど、使われたのはもっと前にリハーサルでやった演技だったりして。最初は残念に思った」と率直な胸中を明かし、「マーティンはとにかく役者を褒める。『グレート、エクセレント! じゃあもう一回』って感じで。だったら始めから、マーティンが考えている演出をつけてくれたらいいのに…」と笑わせた。

窪塚曰く「日本中の役者が受けたと言われている」という、『沈黙』のオーディション。「超メジャーな方まで受けていた。僕は1回目のオーディションでは、ガムを噛んで行ったら、(オーディションを)落とされまして。会場が控室みたいなところだったから。ハメられました」と秘話を披露。「紆余曲折があったけど、この役をつかむことができた。マーティンも、『今日はどんなキチジローを見せてくれるのか』と喜んで撮ってくれた」と振り返った。

映画『沈黙-サイレンス-』は全国公開中
◇公式HPはこちら

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田辺 ユウキ
田辺 ユウキ
1979年生まれ。関西を拠点に映画評論家としてレビューやインタビューの執筆ほか、また映画と音楽のプロモーターも務める。2014年に大阪市映像事業「CO2」プロデューサー就任。「大森靖子映画祭」「いずこねこ 最後の猫トーク」などイベント企画も行う。