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『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』『東のエデン』の神山健治監督5年ぶり新作『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』の舞台挨拶がIMPホール(大阪市)で行われ、神山監督、声優を務めた満島真之介が登壇した。

本作は、平凡なヒロイン・ココネが、両親の秘められた過去に直面し、ある発明が隠されたタブレットをめぐるバトルに巻きこまれる物語。彼女が毎日見る、機械技術が発達した国の夢と、自分自身のトラブルが結びついていく。

ココネをサポートする大学生・モリオを演じた満島は、初めて神山作品に携わったことについて「外国の友だちに『神山さんの作品の声をやるかもしれない』と言ったら、発狂して喜んでくれたんです」と周囲が大騒ぎだったそうだ。「(声優の)お話をいただいたとき、『これまでの神山監督の作品とはちょっと違う。新しい挑戦をしている』と思ったので、直接お話を聞きにスタジオへ行ったんです。でもそのとき、監督とは役の話は10分くらいしかせず、ただの(世間)話を3時間くらいしていました」と振り返った。

神山監督も「今まで作ってきた映画とは違ったアプローチをしました」と話す。「自分の娘に見せたい映画を作ろう」というところから着想した。劇中のココネとその父親の関係性については、「父と娘の関係って、一番摩擦が起きにくい気がします。娘の方は年頃になるとお父さんを嫌いになったりして、お父さんは娘とどう接して良いか分からなくなったりする。ドラマが生まれにくいんじゃないかと思って、その中で(ストーリーを)考えていきました」という。

満島は、「この作品に参加ができて本当に良かった。宝物になります。30、40、50代と人生が変わっていっても、何回でも観たくなる。そして自分の変化を感じられるはず。こんなに痩せた(体型の)監督から、こんなパワーがあるとは。作品が出来上がる前、会うたびに痩せていって、先々週くらいは痩せ切っていましたから」と公開前の追いこみ作業中だった神山監督を想いやった。

神山監督は、イギリスのSF小説家であるアーサー・C・クラークの言葉を引用して、「よくできた科学技術は、魔法と見分けがつかない。温かい家族の話ですが、その言葉が念頭にありました。今の人たちが、(映画で描いた)魔法をどう受け取ってくれるのか楽しみです」と作品にこめたメッセージを口にした。

映画『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』は全国公開中
◇公式HPはこちら

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田辺 ユウキ
田辺 ユウキ
1979年生まれ。関西を拠点に映画評論家としてレビューやインタビューの執筆ほか、また映画と音楽のプロモーターも務める。2014年に大阪市映像事業「CO2」プロデューサー就任。「大森靖子映画祭」「いずこねこ 最後の猫トーク」などイベント企画も行う。