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芝居作りは僕にとって、欠かせない仕事

石井さんは『HEADS UP!』の演出で、第23回読売演劇大賞の優秀演出家賞を受賞しました。どんなお気持ちでしたか?

石井  もちろん、うれしかったです。演劇に取り組んでからの30年間で、僕は賞の対象になったことさえ1度もありませんでした。それは、僕が喜劇を主に手掛けていたせいでもあります。審査員の先生方や評論家の方が喜劇の舞台を見にきてくれることは少ないし、劇評も書いてくれないことが多いんです。
 だから、喜劇であり、ミュージカルである『HEADS UP!』で評価されたことは僕にとって、とても意味のあることだと思っています。この20年間、年間6本というペースで芝居作りに取り組んできましたが、僕にとって舞台の仕事は欠かせないものになっています。

初演から2年後の2017年12月から翌年の3月にかけて、『HEADS UP!』は再演されます。意気込みはいかがですか?

石井  再演には、初演にはないむずかしさがあります。初演でやったことをただ繰り返すだけではおもしろくないし、かといってガラリと変えてしまったら、「もう一度あの舞台を楽しみたい」というリピーターのお客さんに満足してもらえません。
 舞台というのは、公演が終われば役者もスタッフも、それぞれが次の芝居に向かって散り散りになっていきますから、すべて同じメンバーが再結集するというのはあり得ないことです。ただ、『HEADS UP!』では初演を手掛けた多くの人たちがこの作品のために集まってくれました。新たに加わった人たちも、「いい舞台を作ろう」という意欲の高い方ばかりで、大いに頼もしく感じています。

舞台はひとりの力でできるものではなく、そこにかかわるすべての人たちの力が結集することでできあがります。その意味でこの作品は、仕事を持つすべての人たちに共通の、普遍的なテーマをもった作品だと思います。どうか多くの人たちに観ていただきたいですね。

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