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 冬の日暮れは早い。そんな時に下町を歩いていると、どこからともなく石鹸の香りの湿った空気が漂ってきて、「お、これは」とキョロキョロ。するとすぐに暖かい光が漏れる建物に立派な唐破風が張り出した銭湯を見つけることがある。

「ひとっ風呂浴びて行くかな~」
なんて、すでに風呂上がりのビールまで想像してしまうホクホクの光景なのだが、そんな銭湯の唐破風や格天井のパラダイス感が、関東大震災からの復興期に宮大工たちが何かできないかと立ち上がって生まれたものという説もあると知ったのは、南仏プロバンス出身の女性、ステファニー・コロインさんが書いた記事を読んだことでだった。

 彼女は、仕事の都合で日本に住むことになり、ふとしたきっかけから銭湯通いを始め、その魅力をインスタグラムなどで発信していくうち、日本銭湯文化協会の銭湯大使に任命され、今年10月には『銭湯は、小さな美術館(啓文社書房)』と言う本まで上梓された。

本の帯にはキュートな笑顔のステファニーさん。銭湯大使というより、銭湯の天使。これはもう会いに行かなくてはと、取材を申し込んでみた。すると、ステファニーさんの銭湯取材に同行させていただけることに。私は、ウキウキしながら中目黒の銭湯「光明泉」へと向かった。

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諸岡 なほ子
諸岡 なほ子
福岡県大牟田市出身のタレントで、現在、一児の母。作詞家(MONA)としても活動。趣味は読書、散策、落語鑑賞、お祭見物&参加。世界遺産検定2級取得。TBS系「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンター、MBS「住人十色」訪問者など多数出演。著書に『地球のどこかの秘境から』(実業之日本社)。
オフィシャルブログ http://ameblo.jp/nahoko/