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アウトドアに興味がないわけではないが、ビーチでテントを張ったりBBQがいいところで、決して自ら好んで山登りなどしようと思わない夫が、私の「そろそろ高尾山とか行けたらいいんだけどねー、寒いよねー、でも一応ケーブルカーとかもあるからな~」という、独り言のようなアピールに「行くの?」と無表情ながら耳を貸してくれた。
「え、いいの?行く、行こう!!!!」
と、私は夫の気が変わらないうちにバタバタと用意を始めた。

こうして、藪から棒に高尾山へ行くことになった。息子といつ山歩きを始められるかというのは、それこそ息子が生まれた時からの私の大命題となっていて、最初に歩くならば都心からも近く、ケーブルカーやリフトという保険もあり、ミシュランも認める魅力的な行楽地である高尾山がいいだろうとは思っていたが、まだまだ「だっこだっこ」の3歳児。

体力低下著しい自分の体ひとつでさえままならないだろうに、16キロの肉塊を抱えて山道を歩く自信などない。息子の体力と気力がもう少し充実してくるまでは、無謀な挑戦はやめておこうと、半分諦めていたのだった。不安はもちろん拭えないが、夫がいれば16キロのだっこもまあなんとかなるだろう。こうして、中途半端な時間から中途半端な気持ちで高尾山を目指すことになったのだ。

 年間およそ300万人の登山者を誇る高尾山。この数はなんと世界一。新年が明けて間もないこの日は初詣の客も多く、京王線「高尾山口」、「高尾」の両駅の周りの駐車場は軒並み満車だった。

そこで、さらに一駅新宿に近い「狭間」に車を置いて、各駅停車で高尾山口駅へ。2015年に改築工事の完了した高尾山口駅舎は、ぐっと現代的にカッコよくなっていて、観光案内所やレストラン、温泉施設までもが直結していた。

思いつきできてしまった我が家は、ごくささやかなインフォメーションしか携えていなかったため、まずは観光案内所で無料の地図を頂戴して登山コースを決めることにした。
「じゃあ、ケーブルカーで行こう!」
と言ったのは私だ。

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諸岡 なほ子
諸岡 なほ子
福岡県大牟田市出身のタレントで、現在、一児の母。作詞家(MONA)としても活動。趣味は読書、散策、落語鑑賞、お祭見物&参加。世界遺産検定2級取得。TBS系「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンター、MBS「住人十色」訪問者など多数出演。著書に『地球のどこかの秘境から』(実業之日本社)。
オフィシャルブログ http://ameblo.jp/nahoko/