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 ただし、ここまでの道のりは、決して容易いものではなかった。まずは、家族からの大反対。当然だ。小さな子供がいるのに、かき氷屋を始めたいと言われたら、きっとほとんどの人が反対や心配をするだろう。

けれども、梁川さんの中には、かき氷屋にたくさんの人が来てくれるイメージが浮かんでいたのだという。実家の駐車スペースにのぼり1本とテーブルとイス、ビーチパラソルだけで始めたかき氷屋は、シロップも縁日で売られているようなものだけだったという。

最初は、近所の小学生が小銭を握りしめてやってきてくれたというが、もちろんそれでは経営は立ち行かない。それで、最初の半年間は、勤めていた会社で働きながら、本業が休みの日曜日にかき氷屋を営業。休みなく動き回っていた。

「でもね、(氷屋の世界に)入ってみると、助けてくれる人たちが出てくるんですよ」
という梁川さん。かき氷屋の先輩のアドバイスで、旬のフルーツを使ったシロップにチャレンジしてみたり、旬のフルーツに触れるうちにその奥深い世界を知って見る目が磨かれたり。おいしいミカンなら、ミカンそのものを販売したら?とのアドバイスも受けて、実際に販売したりもしている。

「だってね、今の人たちはフルーツのこと全然知らないんだなって思ったんですよ。目利きのバイヤーが選ぶフルーツは全然違う。本当においしい。そういうものを使わないと結局おいしいものは作れない。だから、おいしいものを知って欲しくて、赤字覚悟で高いミカンを1袋100円で販売したりもしてたんです。そしたら、それを食べたお客様がまたあれを食べたい!って買ってくださる。ちゃんとしたフルーツと初めて出会って、そのおいしさを知ってくださるのが嬉しいんです。面白いんですよねぇ。」

 頭にタオルを巻いた梁川さんは、本当に楽しそうにそう話してくださった。その一方で、縁日で売っているようなシロップのかき氷も変わらずに提供しているという。理由は、子供にきてほしいから。

「(高いものもいいけれど、)子供たちはブルーハワイとか食べるのが一番おいしいだろうし、それでいいんです。そういう子供たちにも来てもらいたいんで。」

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諸岡 なほ子
諸岡 なほ子
福岡県大牟田市出身のタレントで、現在、一児の母。作詞家(MONA)としても活動。趣味は読書、散策、落語鑑賞、お祭見物&参加。世界遺産検定2級取得。TBS系「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンター、MBS「住人十色」訪問者など多数出演。著書に『地球のどこかの秘境から』(実業之日本社)。
オフィシャルブログ http://ameblo.jp/nahoko/