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舞台の本番といえばこんな事が最近頭をよぎった。
“続ける”という見本としてこんなにもあからさまで分かりやすい事はない、舞台演劇。本番という最高潮にパワーを使う仕事を、ほぼ毎日同じ時間に1~2回、何ヶ月も続けて行う。


芸術的な部分ではなく、言いたいのはフィジカルな話。もう物理学的に、“オーバーワーク”という言葉があるように、異常なエネルギーの消費は、身体の回復が追いつかなくなってくる。

これが実に、“続けている”ことに最大の原因があり、すぐに気付かないが疲労酷使の積み重ねで急に壊れてしまうのだ。アキレス腱も股関節も腰も肩も、そして喉も。週一の休演日だけでは回復せず、疲労の蓄積とともに破滅するのだ。

我々はそれをコントロールするのも仕事ではあるけども、異常な分量の繰り返しは、化け物と呼ばれるようなエネルギーの塊のような女優だって壊す。人間だもの。

“続けてやっている”ことが最大の原因なのである。 いま挙げたのはフィジカルな話だが、例えば精神においてもそうだ。

続けるのが大切だって、それを続けることによって、力になるどころか、あなたを破滅の道に導いているかもしれない。
継続は力なり。
その“続けるもの”は自分の“力”になり得るものなのだろうか。

わたしは、芸術のレベルが落ちかねないという意見の下から、表現者側としては、このハードスケジュール体制に関しては賛成ではないが、でも舞台に立つ事は何よりも自分の存在意義を持たせてくれる仕事なので、熱意は変わらない。

しかしながら、思いがあるからこそ、もっと、多くの良い役者が破滅への道ではなく、ポジティヴに続けられる環境で。プロの仕事ができるようになればと、願ってもいる。

さほど前向きにならなくとも、続けていて何かを得ることがある場合もある。
例えば、冒頭に挙げた読書なんて、私にとって、続けて害になるものではない。
“続けて何かをする”という行為自体は少なからず、世の中生きていく中で、必要なときがある。そして誰しも苦労している部分もあるだろう。

ダイエットなんてそうだ。続けて続けてやっとカクンと落ちるのだから。でもそこで無茶をしすぎると“破滅への道”へつながってしまう。

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ソニン
ソニン
1983年高知県生まれ。2000年歌手デビューし、2003年には「高校教師」(TBS)で女優の活動を開始。舞台や映画に活動の場を広げ、現在に至る。