このエントリーをはてなブックマークに追加

続いて本丸、東京タワーへ。訪れるのは久しぶりだ。凛とした勇姿が見えるといつも高揚する。遠くから見るのもいいが、塔の真下、脚の部分からのアングルは、赤い巨人の足元にもぐったようで新鮮な景色が楽しめる。

それにしても、いつからこんなにクリーンになってしまったのだろう。もっと昭和の垢抜けないノスタルジーが持ち味の観光地だったはずだ。わしの中では東京タワーと言えば蝋人形館だったが、それももう今はない。

東京という町は、外から見るとスタイリッシュ。キラキラしている。だけどその内部には、ありとあらゆる魑魅魍魎、珍奇、罪と罰、人間の愛憎劇があるという「メッセージ」が、蝋人形館にはこめられていたではないか。


若輩者のおのぼりさんだった頃、そんなメタファーをにわかに感じ取り震撼したものだ。そして、誰にあげても喜ばれないようなへんな土産、みうらじゅん先生がいうところの「いやげ物」を発掘する楽しみもあった。

2階に向かった時、キラリとわしに訴えかける輝きを目のはじでキャッチでした。懐かしいお土産街……だ。まだ生存してくれていたか。漢字入りのキャップやTシャツ、舞子さんの絵はがき、刀形のペンや、ゆるキャラ風のぬいぐるみ。うどんのマグネット。なかでもひときわオーラを放っていたのは、「ストレッチバナナ」。


握るとぶにゅんとした不気味な快感が味わえる。ボケ防止、ストレス発散に良さそう。東京タワーで買うところの意義が1グラムもない、最高かつ唯一無二のバナナ。観光地の土産は、こうでなくては。

The following two tabs change content below.
さくらい よしえ
さくらい よしえ
<最新刊>
ゆでたまごでんしゃ 「まいど ごめいわく ありがとうございます」の巻(Amazonリンク)「電車がでてくる物語絵本」シリーズ。主人公の車掌・たまごのごまた。さて、この缶を開けると…?
きょうも、せんべろ 千円で酔える酒場の旅(Amazonリンク)立ち飲み、刺身のうまい店、もつ煮の名店……きょうは、どの店いこうかなあ。安くておいしい、でもそれだけじゃない……王道から穴場まで、笑いと涙の酒場探訪。
<既刊>りばーさいど ペヤング ばばあ(上・下巻)(Amazonリンク)