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    《逃げたい逃げたい逃げたい、逃げる勇気が欲しい。》

これに共感する人はどのくらいいるのだろう。

『逃げないで偉いね』
『なんでも立ち向かってすごいね』
『完璧主義者なんだね』
『わたしなんか逃げてばっかりだから見習わなくちゃ』

こう言われる度、実は惨めになったり劣等感すら感じたりもする。
本人にとっては“逃げないことが逃げ”だから。

置き換えて言えば、『逃げることができないなんて勇気(余裕?)がない
のね』と言われているようなものだ。

そもそも一般的に、《逃げる=弱い》というイメージがある、世の中、
少なくとも私。【逃げる】という言葉が「立ち向かいもせず面倒くさい
ししんどいのが嫌だから見て見ぬ振り―避けさせていただきますサヨウ
ナラ―」という悪い意味合いを感じる。

そう、《逃げる=負け犬》なイメージ。

遠い昔、デビューして1年ほど経った頃に、一緒に組んでいた相方がい
なくなってしまって、これからどうなっていくのかもわからないし一人
で何をするべきなのかまだ若くて引き出しがなかった私は、見るからに
ぼろぼろだったようだ。

事務所の社長に言われるがまま、相方のパートのアレンジも含めて一人
バージョンの歌練習をさせられていた時、弱っている私をみて社長は、
『腹をくくれ』と渇をいれ去り際に『この負け犬が!』と捨てゼリフを
はいた。

今となっては笑い話だが、あの『負け犬!』と言われたときの光景はい
まだに覚えてて、その時の衝撃は随分と響いた。自分で選択したり考え
たりする前に、とにかく無条件に逃れることは許されない環境下にあっ
た。

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ソニン
ソニン
1983年高知県生まれ。2000年歌手デビューし、2003年には「高校教師」(TBS)で女優の活動を開始。舞台や映画に活動の場を広げ、現在に至る。