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やったー、今年も富士山登頂成功!
それもなんと、山開き前日の6月30日に!!

いやぁ、2回目とはいえこんなに楽に登れるとは思ってもみなかったわぁ・・・などと、思いきりどや顔で言いたいところ。だけど、「山開き前」というワードあたりで、勘のいい方ならばこの話のオチに見当をつけられたのではなかろうか。

ええ、ええ、ご名答。そう、私が登ったのは下町にあるミニチュア富士山。浅草からほど近い下谷にある小野照崎神社の富士塚である。でも、どうしてこんなものがあるのか。それは江戸時代、富士山への登拝は、多くの町人たちの夢であった。 ところが現代とは違って、そう誰もが富士山まで行って登ることは出来ない。時間もお金も体力も、今の富士登山とは比べ物にならないほどに必要だったのだ。
そこで、富士講とよばれる信仰集団では、仲間内で資金を集めるなど協力しあって代表者を富士山へ登らせたり、遥拝所としてミニ富士山を作ったりした。そのミニ富士山が富士塚で、富士山の山開きの時に合わせて「六根清浄、お山は晴天」などと唱えながら模擬登山をしたのだそうだ。

この「六根清浄」とは、目・耳・鼻・舌・身・意の6つ器官から生じる迷いを断ち切って、清らかにすること。そう知ると、ヒマラヤのエベレスト街道や去年の富士登山を思い出す。自分の足音と呼吸音を聴きながら歩いている時の、とっても静かな世界。なるほど、本物もミニチュアも、富士登山にはそんな願いが込められてきたのだ。

かつて、江戸には100を越える富士塚があった。が、現存しているのはごく僅かだけ。その中で、豊島長崎富士、江古田富士、木曽呂富士、そしてこの下谷坂本富士が原型をよく残しており、国の重要有形民俗文化財に指定されている。・・・とまぁ、一通りの蘊蓄を頭に仕入れて、富士塚へ向かった。

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諸岡 なほ子
諸岡 なほ子
福岡県大牟田市出身のタレントで、現在、一児の母。作詞家(MONA)としても活動。趣味は読書、散策、落語鑑賞、お祭見物&参加。世界遺産検定2級取得。TBS系「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンター、MBS「住人十色」訪問者など多数出演。著書に『地球のどこかの秘境から』(実業之日本社)。
オフィシャルブログ http://ameblo.jp/nahoko/