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いくらなんでもそりゃないよな、と思いつつも、とうとう家を飛び出してしまった。午前5時20分。朝早いというだけではなく、一睡もしていなかったのだ、が、しかし、この日を逃したらしばらく祭りを見られる機会を得られなそうだ。私は日焼けどめを塗って、南千住、素盞雄(すさのお)神社へと向かった。

 途中で、カメラにSDカードが入っていないことに気付いて西日暮里駅付近で買いに走り、コンビニ3軒目にしてようやく購入といった事態を経て、ふわふわした足取りで現地についた。午前6時半過ぎだ。既に神社内での祭礼は始まっているが、午前7時の宮出しにはなんとか間に合った。

 この日、素盞雄神社で行われていたのは、天王祭(てんのうまつり)といい、今年は3年に1度の本祭りが行われた。前回の本祭りは平成20年だったというから、本来なら去年行われるはずだったのだが、震災により今年になったのだそうだ。

この本祭りでは、千貫神輿とも呼ばれる本社神輿が出る。1貫が約3.75kg・・・ということは3750kgのお神輿!?と思ってしまうが、これはそれくらい重いと言う比喩であろう。とは言え、浅草橋の鳥越神社に引けを取らない大きなお神輿。それをまさか、あんな風に担ぐとは・・・相当な驚きであった。

 

 

 神社付近には、露店の準備をしている人たちの他に、祭りの半纏を着た人たちがちらほらと集まってきていた。その後をついて境内へ入ろうとすると、そこには人がぎっしり。鳥居の下まで隙間なく人が立っていた。すぐそばには、プロともアマチュアともつかない立派な機材のカメラマンや見物人たち。その前には、裃(かみしも)と袴を身に着けた各町会の総代のおじ樣方。その前に3基の神輿が並び、神主が祝詞を奏上されているようだった。そして、その脇をかためるように白い祭りの装束に身を包んだ担ぎ手の男たち。既に興奮状態に入りつつあるのか、鋭い目つきで辺りを見ている人もいる。目が合った瞬間、なにかの神話のように、石に変えられてしまいそうなアンタッチャブルなエネルギーがみなぎっていた。

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諸岡 なほ子
諸岡 なほ子
福岡県大牟田市出身のタレントで、現在、一児の母。作詞家(MONA)としても活動。趣味は読書、散策、落語鑑賞、お祭見物&参加。世界遺産検定2級取得。TBS系「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンター、MBS「住人十色」訪問者など多数出演。著書に『地球のどこかの秘境から』(実業之日本社)。
オフィシャルブログ http://ameblo.jp/nahoko/