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夏の終わり、秋の入り口。

私は髪を高い位置で結び、後れ毛が背中に降り掛かる感覚を楽しめる上品め
のキャミソールで、ほんのりドレスアップ。

もしかしてひとりで気合い入り過ぎかも、なんて思いながらもウキウキと、
聳え立つ佃の高層マンション群を眺めていると、
待ち合わせ場所にやってきた同世代・下町夫婦は、
ふたりしてビシッとキマったゆかた姿。うーん、やられた!

悔し紛れに、挨拶もすっ飛ばして旦那サマのお腹を叩き、
「コレ、タオル入れずに帯まいてこのお腹でしょー」とからかってみると、
「なに言ってんのー!バスタオル入ってるよ、バスタオル!!」と即座には
りのある声で返ってくる。まだお酒も入ってないのにいい調子。

その実、手ぬぐい1枚すら入ってないのは明白(笑)。
なぜなら、着付けた女性が顔の前で手をひらひらさせながら笑っていたから。
まったく、これだから下町っ子は気がおけない。

そんな私たちだけでなく、待ち合わせの越中島乗船場に集まってくる人たちは、みんな思い思いにオシャレをしている。

特に、年配の女性の着物姿は素晴らしい。
色の組みあわせだって、洋服ではついゴテゴテとなりがちだが、和服となるとかなり大胆な模様が入っていてもすっきりと洗練されてしまう。

日本で洋服が一般に着られるようになったのなんて、
たかだか明治以降。さすがに歴史がものを言うのだろう。

それにしても、同世代の男の子も最近は随分恰幅が良くなってきて、
ゆかた姿がサマになるようになってきた。

30代の男性のゆかた姿には、10代、20代には出せない魅力がある。
少々お腹は出てきてもどことなく締まりがあるし、
祭りの名残の小麦色の肌や、腹の底から笑うときの白い歯は、
人生を自分の足で歩いている自信と、
ちょっとやんちゃな色気すら漂っていたり・・・。

あー、きっと100年〜200年前の江戸の下町には、
そんな魅力的な男がいっぱいいたんだろうなぁ。
一緒に小舟でスイーッと隅田川に漕ぎだして、
まんまるお月様が水面に光の道をゆらゆら作ってたりしたら・・・
うん、十中八九運命だと勘違いして惚れてしまう。

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諸岡 なほ子
諸岡 なほ子
福岡県大牟田市出身のタレントで、現在、一児の母。作詞家(MONA)としても活動。趣味は読書、散策、落語鑑賞、お祭見物&参加。世界遺産検定2級取得。TBS系「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンター、MBS「住人十色」訪問者など多数出演。著書に『地球のどこかの秘境から』(実業之日本社)。
オフィシャルブログ http://ameblo.jp/nahoko/