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 午後3時50分、すっかり遅くなってしまったが、なんとか亀戸天神社に到着。タクシーを降りて赤い鳥居に近づくと、里神楽の笛や太鼓の音色が聞こえてくる。毎月25日は天神様の縁日であり、1月の今日は初天神となる。さらに、1月24日〜25日と亀戸天神社では鷽替え神事(うそかえしんじ)が行われているため、境内にはたくさんの露店が並び、多くの人で賑わっている。

 そのお祭りの空気の手前、鳥居の脇に、こちらが会場ですよと言わんばかりに可愛らしい紅梅が咲いていた。梅の花にひとつ気持ちを明るくされて鳥居をくぐると、目の前には男橋と呼ばれる大きな朱色の太鼓橋がある。これで心字池に浮かぶ小さな島に渡ると、その先に平橋を通ってもう1つ小さな島。ここから、女橋と呼ばれる太鼓橋を渡って社殿の前にたどり着く。この、池の上に架けられたまあるいシルエットの太鼓橋の上に立つと、広い境内をぐるりと見回せ、社殿の左奥にはそびえ立つスカイツリーも臨むことができ、ちょっと虹を渡っているような気分になる。私が亀戸天神社に来ると盛り上がるポイントのひとつだ。

ちなみに、この三つの橋の本来の意味は「三世一念の理」といって、それぞれ過去、現在、未来の人生を現していて、1つの橋を渡るごとに心が清められていくように作られているのだそうだ。鳥居の脇の紅梅を見た時から・・・いや、神社に向かう時から、既に人の心はいつもより清らかな状態の気はするが、そういう「浄化装置」があると言うのもまた、ここへ来る良い理由になるのだろう。
 そんな訳で、神前に進むまでにこの心を清めて頂き、更に手水舎で手と口を清めてから、拝殿へお参り。さすがに縁日とあって、参拝する人たちの列ができていた。しかし、その列に並びながら若干不安になる。本殿の左手前で、巫女の格好をした女性たちが、鷽替え神事のメインアイテム、木彫りの鷽(うそ)を授けているテントがあるのだが、一瞬その奥の棚に何も並んでいないように見えたのだ。ううぅ、もしや・・・。

 二拝二拍手、家族の健康と安産などをお祈りして、最後にもう一度深くお辞儀をした。それからそそくさとテントへ向かうと、悪い予感は的中してしまった。木彫りの鷽はすべて「売切れ申候」とのこと。わずかに残っていたのは懐中用の小さなもののみ。2日目だし、来た時間が遅すぎたか・・・。漏れ聞こえてくる話しによると、どうやら前日テレビで取り上げられて、人出が増えたりもしていたらしい。仕方ないので残り物に福を求めようと、懐中用の木鷽を500円で一つ頂いた。

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諸岡 なほ子
諸岡 なほ子
福岡県大牟田市出身のタレントで、現在、一児の母。作詞家(MONA)としても活動。趣味は読書、散策、落語鑑賞、お祭見物&参加。世界遺産検定2級取得。TBS系「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンター、MBS「住人十色」訪問者など多数出演。著書に『地球のどこかの秘境から』(実業之日本社)。
オフィシャルブログ http://ameblo.jp/nahoko/