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春。やはり花見をしなくては何も始まりますまい。
と言う訳で今年、私がお花見したのは上野恩賜公園。

実は私、もともとは上野と言う場所があまり好きではありませんでした。雑居ビルの看板が競う様に道にせり出す、まるでヤクザ映画のような町並みに、田舎から出てきて間もない頃の私はかなり圧倒されました。

それが、いつからか足を運ぶたびにイメージが多様に膨らんできました。一つは芸術のイメージ。博物館や美術館に行くことが増え、美大で聴講をしたことも私の中のイメージを文化的に変えました。

もう一つは、自然のイメージ。不忍池に水面が見えない程の蓮の花を見た時には、「むんっ」と濃厚で力強い自然の力を感じました。そしてもう一つ、歴史のイメージ。


彰義隊が新政府軍と戦い、多くの犠牲者を出し敗北した上野戦争。これを知ったのは、漫画家杉浦日向子さんの作品「合葬」で。読み終えたあとはしばらく放心状態でした。

その主戦場となったのが東叡山寛永寺。で、その境内があったのが、現在毎年多くの花見客で賑わうの上野恩賜公園の敷地でした。



上野の森には、道の両側に並んだ桜が頭上を覆う桜のトンネルがあります。花見客の多さと言ったら、歩くのもままならない程ですが、早く通り抜けなくてもいいなと思ってしまう頭上の華やかな眺めと、祝祭性。

江戸の人たちはどんな風に見たんだろうと思いつつ、歩き疲れて腰を下ろせば、缶ビールのプシュッという音が白い泡とともに心地よく弾けます。

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諸岡 なほ子
諸岡 なほ子
福岡県大牟田市出身のタレントで、現在、一児の母。作詞家(MONA)としても活動。趣味は読書、散策、落語鑑賞、お祭見物&参加。世界遺産検定2級取得。TBS系「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンター、MBS「住人十色」訪問者など多数出演。著書に『地球のどこかの秘境から』(実業之日本社)。
オフィシャルブログ http://ameblo.jp/nahoko/