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 花魁道中が見られると言うので、落語に登場する職人のタマゴ男子よろしく(想像だけど)、私は気もそぞろで馳せ参じた。女性の私が言うのもなんだが、ここ品川にはかつて「北の吉原、南の品川」とも称せられるほどに美しい遊女が多くいたのだそうだ。そのトップに君臨したのが花魁たち。彼女たちに声がかかるとそのお座敷までの道のりを、振袖新造と呼ばれる花魁の見習い、禿と呼ばれるさらに幼い10歳前後の見習いや、肩貸しの男衆などを引き連れ、美しい上にも美しく着飾って練り歩いた。それが花魁道中。9月29、30日開催の『第22回しながわ宿場まつり』の催し物の1つとして、この花魁道中が現代に蘇るというので、こりゃあ見てみなくてはと思ったのだ。

 その艶姿を目にする前に、まずは品川を探索。現代の品川はと言うと、2003年に開業した新幹線の駅をはじめ、JRの多くの在来線や京浜急行も乗り入れる非常に大きなターミナル駅として日夜多くの人が行き交っている。しかし、旅の要衝であるのは何も今に始まった事ではない。そう、お江戸を発ってすぐ、東海道五十三次最初の宿場町こそがこの品川宿だったのである。当時の品川は、宿の窓からは遠く安房や上総まで見渡せ、春の潮干狩り、御殿山の桜、東海寺の牡丹、海晏寺の紅葉など、風光明媚な行楽地としても江戸から多くの人が詰めかけたという。そこに美しい女性も多くいたとなると、なんて魅力的な土地だろう。

 私が京急、新馬場駅に降り立ったのは午後4時前。宿場まつりの舞台である商店街への道なりにも既に多くの露店が並び、大道芸をやっている2人組の周りには幼い子供たちが目を輝かせて体育座りをしていた。が、そこで早速我が目を疑う人物とすれ違ってしまった。三度笠に股引きとわらじを履いた股旅姿。もしや、風車の弥七!? タイムスリップか、はたまた京都太秦の撮影所に瞬間移動したのかとテレビカメラを探したくなるところだが、どうやらあの股旅姿のおじ様はこの日の昼間に開催されていた、江戸風俗行列に参加された方のようだ。なるほど。一般の方が応募して、時代劇のような本格的な衣装とメイクを身につけパレードをするという、宿場まつりのもう1つの人気イベントだ。


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諸岡 なほ子
諸岡 なほ子
福岡県大牟田市出身のタレントで、現在、一児の母。作詞家(MONA)としても活動。趣味は読書、散策、落語鑑賞、お祭見物&参加。世界遺産検定2級取得。TBS系「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンター、MBS「住人十色」訪問者など多数出演。著書に『地球のどこかの秘境から』(実業之日本社)。
オフィシャルブログ http://ameblo.jp/nahoko/