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 七草前、新春の浅草を通り抜け、吾妻橋を向島方面へと渡った。やわらかな日差しも心地よい絶好の散策日和に気持ちも軽やかにはずむよう・・・だが、決して軽やかではないこの身体。そう、忘年会やらクリスマスやら年越し蕎麦やらお雑煮におせちにお土産のお菓子やら、この2週間を振り返ると、笑顔とともにいつもそこには大量の食べ物があった。それらは私の血となり肉となり、肉となったまま今もここにある。残すのは思い出だけで充分なのに、こいつめ、こいつめっ(お腹の辺りをつまみつつ)と、重い身体を携えて正午過ぎ、正月の下町を歩き始めた。

 吾妻橋を渡ってすぐに左折。アサヒビール社屋と隅田川の間の公園を通り、墨堤通りへと抜ける。その直前に緑色ののぼりが立っているのに気付いた。そこには白抜きされた「隅田川七福神」の文字。そう、東京都内だけでも30を下らない七福神めぐりコース。その中でも最古級とされるのが谷中、山の手、そしてこの隅田川の七福神めぐりで、200年もの歴史を誇る。この小さなお遍路さんのように、七福神の神々を巡拝する。緑色ののぼりは、どうやらこの先にも続いていて、初心者にも分かる様、道しるべになっている模様。これは心強い・・・と、思っていた矢先、最初はあそこだろうと思いこんでいた最寄りの木嶋神社へと足を向け、地図を見て間違いに気付き、慌てて墨堤通りまで引き返す羽目になった。ああ、身体だけでなく頭の中もお正月。ふと見ると、道の脇に釣り堀があって、釣り糸を垂れながら居眠りしているおじいちゃんの姿。また、売店には「カップ一杯の幸せ とん汁二百円」の張り紙。ほっこり。ま、ゆっくり向かうとするかな。

 少し歩くと、はとバスが止まっていた。「東京二大タワーを眺めながら 隅田川七福神と宝船」というコースらしい。その目の前に、まさに逆光に映えるスカイツリーと素晴らしい景観を作り出している鳥居がある。それをくぐり中に入っていくと、そこが最初の目的地、三囲神社だ。


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諸岡 なほ子
諸岡 なほ子
福岡県大牟田市出身のタレントで、現在、一児の母。作詞家(MONA)としても活動。趣味は読書、散策、落語鑑賞、お祭見物&参加。世界遺産検定2級取得。TBS系「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンター、MBS「住人十色」訪問者など多数出演。著書に『地球のどこかの秘境から』(実業之日本社)。
オフィシャルブログ http://ameblo.jp/nahoko/