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 12月6日、私はかつての本所松坂町、今の両国を歩いていた。

 青空に金色の銀杏が映える素敵な冬の一日を、おじさま二人、おばさま二人、おばさまのボランティアガイドさん二人と。墨田区の観光協会が催している『忠臣蔵の両国を歩く』と言う小さなツアーに参加してみたのだ。

 恐らく、おじさまおばさまは私のことを最近よく聞く歴女とかいう枠に当てはめて見たに違いない。しかもおひとり様。

 自分が何かの枠に入ってしまうことを人一倍嫌悪する私である。なのに気付けばそう言う人種のはしくれにいるような気がしなくもない。

 ただ、歴女というには歴史に詳しくないし、おひとり様なんて結果的にそうなっているのであって別に望んでなった訳でもない。

 いやいや、閑話休題。このツアーでは両国にある回向院や両国橋など、忠臣蔵にゆかりのある場所を、ガイドさんに色々な逸話を伺いながら歩き回って、最終的には吉良上野介の屋敷があった本所松坂町公園にたどり着いた。

 瓦の乗った白い壁に囲まれている、その小さな公園の中で思い巡らせ、それなりに得ることもあり、私は忠臣蔵編の取材を終えるつもりだった。

ところが、時の経つごとに、なんだか自分の見たいものや書きたいものの核心に触れていない気がしてきた。その想いを抱き続けた一週間と1日の後、私の乗った電車は目的の駅にすべりこんだ。ドアが開くと、乗り込んでこようとしている人たちからほのかに線香のにおいがしてきた。

 ああ、ここだ!

 12月14日の泉岳寺。それはまさに、赤穂浪士たちが本懐を遂げ、義士となって引き揚げてきた日付であり、場所である。

 この日を記念して、毎年義士祭が開催されている。

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諸岡 なほ子
諸岡 なほ子
福岡県大牟田市出身のタレントで、現在、一児の母。作詞家(MONA)としても活動。趣味は読書、散策、落語鑑賞、お祭見物&参加。世界遺産検定2級取得。TBS系「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンター、MBS「住人十色」訪問者など多数出演。著書に『地球のどこかの秘境から』(実業之日本社)。
オフィシャルブログ http://ameblo.jp/nahoko/