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JRの改札をたくさんの観光客とともに通り抜けるとすぐに、これから観に行く祭りの案内チラシを受け取った。厚めの光沢紙にカラー4ページの印刷。地図やスケジュールや祭りのみどころ解説だけでなく、帰りの電車の時刻表まで載っている。これは素晴らしい!と思いつつ、ふと目が止まったのが祭りのタイトル。よく見てみるとこう書かれている。

「江戸優り 佐原の大祭」

ほほう。私のように東京からも多くの観光客が来るのだろうに、「江戸にまさる!」とは、また随分挑発的なキャッチフレーズである。しかもここは小江戸とも呼ばれ、江戸の風情漂う土地として人気を集めている場所だ。いわば小さな江戸なのである。なのに江戸まさり・・・!別に江戸っ子でもなんでもない九州出身の私だけども、この挑発に乗せられるまま佐原の町で目を光らせながら歩き始めてみた。

お祭りの中心地まで夏の焼けたアスファルトの上を歩いていると、まずそこに広がっていたのはどちらかというと昭和の風景だった。土地の名を冠したよくある銀座通りを、自転車の小学生が駆け抜ける。

手描きの銭湯の看板が指し示す方向には、ブロック塀と電信柱、雨ざらしのプロパンガスのボンベにしおれかかった紫陽花という路地。昭和への記憶を喚起する町並みの先に本当に「江戸まさり」な景色があるのだろうか・・・

と少々訝しく思いながら、ぐにゃりとした三叉路を通り過ぎた時、突如その景色は現れた。

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諸岡 なほ子
諸岡 なほ子
福岡県大牟田市出身のタレントで、現在、一児の母。作詞家(MONA)としても活動。趣味は読書、散策、落語鑑賞、お祭見物&参加。世界遺産検定2級取得。TBS系「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンター、MBS「住人十色」訪問者など多数出演。著書に『地球のどこかの秘境から』(実業之日本社)。
オフィシャルブログ http://ameblo.jp/nahoko/