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ニッポン、1000円紀行


幸福な人生には旅が必要だ。
不幸な人生にも旅が必要。
旅のルールはいたってシンプル!
片道の予算1000円、お菓子500円。
これから私は旅に出ます、予定表はありません。 誰にも止められません。

※この旅ルール(編集部より)
交通費の目安は起点から片道およそ1000円とします。お菓子代として500円を支給しているので、多くても1500円の範囲。チープでも心を満たしてくれる大冒険プランがつくれるか、乞うご期待!




「君と飲みたがってる子(同業ライター)がいるよん」とある編集者に引き合わされたのが川崎の女、チタとの初めての出会いだった。
 しかし、自分から対面を希望した割に、彼女はこちらと目を合わせることもなく、『自分、川崎に住んでるんスけどぉ、Suicaとか持ってないんですよう」などと言いながら、赤いミニスカートの足を組み替えケータイをいじっている。  こちらが注いだビールを一杯飲み終わったあたりから、顔色はぐんぐん土気色になり、机につっぷしたかと思ったら「すんせん、ちょっと気持ち悪いんで帰ります」と言い、何を入れているのか大きなリュックを背負って暗闇の路地に消えて行った。
 呆然と見送るわたしに、「ああ見えて、彼女子持ちなんですよ。自分が稼がなくちゃいけないからってすげえ働いてる」と編集者。あの夜、彼女のことは、日々細腕で子を養うために奔走、Suicaを買う余裕もない川崎のヤンママとインプットされた。
<文・さくらいよしえ>
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さくらい よしえ
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