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2012年10月29日配信

『ペンギン夫婦の作りかた』(公開中)は、辺銀愛理さん暁峰さん夫妻が、1999年に東京から石垣島に移住して、翌2000年に一躍島の名物となった「石垣島ラー油」を誕生させるまでを描く。映画では小池栄子さんとワン・チュアンイーさんが夫婦役を演じる。

◆会社が倒産、やったー!
愛理さんが東京でOLをしていた頃、石垣島に伝わる目の粗い手漉きの紙を気に入っていた。「サトウキビの搾りかすをリサイクルしているというのが素敵」と、自分でも造ってみたいと思っていた。丁度のタイミングで暁峰さんの勤めていた会社が倒産「やったー!この機会に石垣島へ行こう!」(愛理さん)それが移住のきっかけとなった。

◆誕生から13年造り方は変わらない。
夫妻はラー油の製造販売と石垣島、那覇で飲食店をそれぞれ経営している。石垣島の辺銀食堂は開店から12年間は12席、リニューアルした現在でも24席という小さな規模だ。ラー油も手づくりを続ける。「石垣島ラー油」の成功を見た大手からラー油を造りたいとオファーを受けたこともある。しかし独特の香りを出すために何種類もの油を使い分けるなど、そのまま再現すると価格は2-3千円に跳ね上がる。さらに千葉の工場で製造したいと言われたこともある。「石垣島に工場を作るならまだ雇用も確保できるけど…千葉で作ると違うものになっちゃう(笑い)」(愛理さん)と断った。

◆円満に暮らすために決めたルール
映画は夫の帰化申請が認められる過程を追いながら、いくつものサブストーリーが展開するという構成。石垣島の人とたちの温かな姿が描かれるが、物語の中心は夫婦の愛や絆だ。結婚前にはお互いに100の嫌いなことを出し合った。「書いたのはもう22年前。100個ってなかなかでてこない」(暁峰さん)。家に早く帰った方が晩ごはんを作る。女だからとか男だからという役割を作らないのがルールだ。“自分が幸せじゃないと、誰も幸せにできない”というのが愛理さんの口癖だそう。「干渉するけど無理はしないというのが長く続く秘訣」(愛理さん)と語る。

◆日本で唯一の辺銀=ペンギン
映画のタイトルにもなったペンギン。中国人である夫の暁峰さんが日本への帰化、その時に辺銀という性をつけた。ペンギン(=辺銀)性は日本で唯一。今回、愛理さん(劇中では歩美)を演じたのは小池栄子さんだ。石垣島に来た小池さんをドライブで案内。登場するごはんも夫妻が作ったものだ。「自分の名前が映画のタイトルになったら…想像してみてください。結構びびりますよ(笑い)」(愛理さん)。

映画『ペンギン夫婦の作りかた』は全国公開中。
◇映画情報はこちら


取材/写真・文 羽渕比呂司


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羽渕 比呂司
羽渕 比呂司
 大阪ガス行動観察研究所社員