このエントリーをはてなブックマークに追加
2012年04月09日 配信

『種まく旅人〜みのりの茶〜』(公開中)は、茶畑農家を題材に、今の第一次産業が抱える問題を浮き彫りにする。塩屋俊監督は俳優としてデビューした後、映画製作を手がけるようになった。これまでの作品に「0(ゼロ)からの風」(07)、「きみに届く声」(08)、「ふたたびswing me again」(10)などがある。

◇日本再生のキーワードは「地方」と「第一次産業」
農業就業者の平均年齢は65歳、平均年収は2百数十万円だそうです。これはおかしいと思うんです。これまでの農政の歴史がそうさせてしまった。映画が少しでも第一次産業の復興に貢献できれば…、貢献までいかなくても“くすぐる”ことができれば。映画で世の中は変えることはできない、でも若干の刺激は与えられる。そう思っています。自然と共生している産業のことをもう一回考えようとの思いを込めて製作しました。

◇10年続くシリーズにしたい
みのり(田中麗奈)が、農業の本当の格好良さがわかったという話。本当の格好良さってなんだろ、豊かなものって何だろっていう気づきの話なんです。若い人たちに農業に興味をもってもらうことが重要だと思ったんです。舞台は大分県臼杵市。僕の生まれ育った故郷です。撮影では炊き出しなどで地元の人たちが大勢協力してくれました。陣内さんは10キロダイエットして撮影に入りましたが、撮影後には8キロリバウンドしたらしいです。ごはんがおいしいかったです。茶摘も共同作業でやるように農業は一人では何もできない、みんなでやっていくもんなんです。ぬくもりや温かみが伝わればと思います。若い世代に農業って良いもんじゃないって思ってくれれば作った甲斐があったと思います。第一産業のすばらしさを伝えていくシリーズとして、10年は続けたいです。次回作は決まっています。淡路島(兵庫県)が舞台で水産業の話です。ほぼ年1本ペースで映画を撮っています。忙しいけど、映画を作ること、そして人を育てることを続けたいと思っています。

<ストーリー>
物語は、東京でデザイナーの仕事しているみのり(田中麗奈)が大分県の祖父の営む茶畑を手伝うことになるところから始まる。有機栽培にこだわろうとするが、その難しさに格闘。同時に自然の厳しさや慣れない田舎の習慣に何度もめげそうになる。そんな時、全国の農家を回っては畑仕事を手伝う農林水産省の職員・金次郎(陣内孝則)が現れる…。


『種まく旅人〜みのりの茶〜』は、全国公開中
◇公式HPはこちら


2月17日 大阪市内
取材/写真・文 羽渕比呂司

The following two tabs change content below.
羽渕 比呂司
羽渕 比呂司
 大阪ガス行動観察研究所社員