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妻(南田洋子)が認知症であることを告白した長門裕之。46年ぶり主演映画となる「夢のまにまに」では認知症の妻を介護する夫を演じた。宅ふぁいる便ではインタビューを敢行

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―実際はそんなもんじゃない

 先ごろ、実際の妻である南田洋子さんが認知症となった姿、そして介護する長門裕之さんを追ったドキュメンタリーがテレビ朝日系列で放映され、視聴率22.9%(ビデオリサーチ調べ)を取るなど大きな反響を呼んでいる。

 今回の映画で長門さんは、映画学校の校長、そして家庭では認知症となった妻を介護する夫の木室創を演じている。有馬稲子さん演じる認知症の妻・エミ子とやさしく触れ合うシーンが多い、しかし、「実際はそんなもんじゃない、もっと厳しいのが現実だ」という。

 認知症の患者は現在150万人とも言われている。決定的な治療方法は未だなく、進行を遅らせる新薬が開発されたばかりがというのが現状だ。

 長門さんは、「命に別状がないというのが、治療法が確立されていない原因の一つだ。もう少し早くから国を挙げて開発されていれば、洋子だって助かったはずなのに」と語る。

 また、「認知症は、帰着するところは誰もみたことがない。洋子の姿を通じてみなさんに認知症の帰着するところを見せたい。そうして介護する他の多くの人たちがどう対処すればいいかを発見する早道になればいいと思っている、また関心を呼ぶことで医学の進歩するスピードも上がればと願っている」とドキュメンタリー取材・出演に応じた気持を語る。


―すべてを忘れる前に

 映画の撮影は、2007年3月から4月にかけて行われた。この頃の洋子さんは認知症の症状が次第に現れはじめる、「この映画の撮影中は丁度、洋子の日々の言動に恐れていた時期で、とば口に立っていた」と語る。

 現在の様子について、「自分で認知症だとわかった患者さんは、自分がどこに帰着するのか、不安感は凄いと思う。ただ今の洋子を見ていると、最後に恐怖感はもう抱かないんじゃないかと思っている」

 「洋子の優しさ愛らしさは、すべて僕が覚えている。だから、最後は安心して腕の中へ飛び込んで欲しい・・・そう言いたいんだけど、それを伝えることができない。そのつらさを感じている。でも、どうしても伝えたいと思っている」と、洋子さんの問題は、長門さん自身に突きつけられた問題でもある。…[次のページにつづく]


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―今日の洋子は、明日はいない
―イメージを共有するのは大変だった!
―豪華キャストに注目
―映画美術の巨匠、木村威夫の世界

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