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2014年03月31日配信

桜坂洋の原作小説を、トム・クルーズ主演でハリウッド映画化したSFアクション『オール・ユー・ニード・イズ・キル』が、2014年7月4日より全国公開される。そこで先日、封切りを前に本作の監督を務めたダグ・ライマン、プロデューサーのアーウィン・ストフが来阪し、フッテージ上映、そしてプレゼンテーションを行った。



『オール・ユー・ニード・イズ・キル』は、侵略者と激しい攻防を繰り広げる近未来の地球が舞台。戦闘で何度死んでも、それまでの記憶を残したまま、ある時点まで生き返ることができるひとりの兵士。彼が、侵略者との過酷な闘いを経験しながら、タイムループする理由をつきとめていく。

『ボーン・アイデンティティ』『Mr.&Mrs.スミス』など大ヒット・アクションを手がけてきたダグ・ライマン監督はまず「この映画は奇想天外なプロットに、アクションが絡んでいる。観客を、人類の存続をかけた闘いの最前線へとトランスポートさせることができる。しかも主人公が、映画開始20分で残酷にも一度殺されてしまう。そういうスペクタクルな設定を背景にしながら、登場人物のラブストーリーも描きたいと思った」と映画化する際に抱いた意欲を振り返り、アーウィン・ストフも「主演のトムは小説、脚本を読み、さらにダグの映画のファンでもあったから、僕自身『これはきっと素晴らしい映画になる』という可能性を見た。監督同様、トム自身もユニークな映画を作れるというビジョンを見た」と語った。

原作は、日本の人気小説。ダグ・ライマンは「トムは撮影中、いつも日本のファンのことを気にしていた」と話す。「彼がいかに日本の人たちのことを大切にしているか、(撮影を通して)よく分かりました。『日本のことを考えて映画を作って欲しい』とずっと言っていましたから。僕が何か提案をしても『でもそういう言葉に日本語字幕をつけると、どういう風に伝わるんだろう』とか。それがプレッシャーになって『何で君は日本のことばかりなんだい』と言ったほど(笑)。でも彼はその意思を最後まで貫いていました」と、親日家のトム・クルーズらしいエピソードを披露した。

またアーウィン・ストフも「トム・クルーズは1日がかりの長い撮影になっても、必ず最初からスタンバイしている。しかもエネルギーをずっとキープしているんです。その姿勢を見て、撮影に参加したイギリスの俳優は『トム、僕は君に授業料を払いたい。演技について学ぶことができたから』と申しでたほどです」と、世界的人気俳優が現場にどんな影響を与えたかを口にした。

日本の原作ファンから、今回の映画がどのように受け入れられるか。もちろん気になる部分だが、アーウィン・ストフは「ダグ・ライマン監督は特別な映像作家。『ボーン・アイデンティティ』などとんでもない映画ばかり作ってきた。彼の映画のおもしろさは、そういうとんでもないものに、リアリティーをこめてキャラクターを作っていくところ。それがダグ・ライマン映画の持ち味。きっと楽しんでもらえるはず」とアピールし、ダグ・ライマン監督も「自分はインディペンデント映画出身なので、今回の規模の作品でも同じ気持ちで作りました。僕は常にその経歴に誇りを持っている。だからこそトップスターのトム・クルーズを、今まで誰も見たことのないような最高のキャラクターにすることができた」と作品の完成度に自信をみせた。



『オール・ユー・ニード・イズ・キル』は2014年7月4日より全国ロードショー
◇公式HPはこちら


取材/文・写真 田辺ユウキ(映画評論家)


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田辺 ユウキ
田辺 ユウキ
1979年生まれ。関西を拠点に映画評論家としてレビューやインタビューの執筆ほか、また映画と音楽のプロモーターも務める。2014年に大阪市映像事業「CO2」プロデューサー就任。「大森靖子映画祭」「いずこねこ 最後の猫トーク」などイベント企画も行う。