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松田龍平さん、お笑いコンビTKOが出演した『蟹工船』公開!

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 80年の時を超えて再びベストセラーとなり脚光をあびた小林多喜二の『蟹工船』が映画化。劣悪な環境で働く労働者たちの闘争を描いた物語。混迷する現代版『蟹工船』のSABU監督、出演者に聞く!・・・映画詳細はこちら>>


─あきらめるよりは、少しでも前向きな考え

[写真クリックで拡大] 左からSABU監督、TKO木本さん、TKO木下さん、松田龍平さん
[写真クリックで拡大] 主演の松田龍平さん

 疲弊した労働現場で働かされる若者たち。過酷な状況下に置かれ苦悩の後に考えたのは、団結して経営者に立ち向かうこと。先頭に立って、戦うのは新庄と言う若者。その新庄を演じた松田龍平さんは、

「蟹工船の本が売れているとか、現在に通じる話とか、そういうことはあんまり考えていませんでした。ただ、(物語は)ひたすらに暗い話。暗いままで終わるんだったら、やりたくないなって思ったけど、中国人の生き方の違うシーン、途中、夢の世界が描かれるシーンなど、リアリティがなくて、この脚本すごくおもしろいなって思いました」(松田)

 素性の違う労働者たちが団結して、経営者側に立ち向かうが、

「お前がダメだ、っていうどうしようもない状況の中で、あきらめるのではなくて、どういうことでもいいから、状況を変えなければならない。新庄たちは集団自殺を考えた。これは、とても後ろ向きだけど、あきらめるよりは前向きなんじゃないかと・・・。どんな状況でも考えを変えてみるっていうのは、必要なことではないかなと思いました」(松田)


─不況真っ只中によみがえる『蟹工船』

 歯車、流れ作業のベルトコンベアなど、黒く深く沈んだ船内で、鋭く光る機械、死と向き合い働かされる労働者の姿はとても象徴的に映る。情報化が進みコンピューターに踊らされる現在の我々の働く姿と重なってみえる。

「原作は昭和初期、時代にとらわれると、客層を限定してしまいそうで、それはしなかった。また近未来の時代設定なのかと言われることもあるけど、これも特別考えたものではないですね」(SABU監督)


─TKOの二人を見て、『あっ、蟹工船だ!』

[写真クリックで拡大] 5回目の東京進出で、俳優デビューを果たしたTKO木下さん

 苦難する労働者たちに、松田さんほか多彩な顔ぶれが起用されている。中でもお笑いコンビTKOの二人は今回、役者に初挑戦だ。

「売れない芸人は、飯も食えない、つらい。過酷の度合いは一緒、イメージはしやすかったです。僕らも3年前まではつらかったので・・・」(TKO・木本)

「はじめて出演の話を聞いたときは、ドッキリやな、どっかでパイ投げられるんやろなって思ってました(笑)。僕ら、東京進出5回目。苦労してあきらめないでやってきたことと、過酷な労働者っていうのがリンクして、リアルな演技になっているんじゃないかと思います」(TKO・木下)

「できるだけはじめての人、僕の趣味で選びました。TKOの二人は、苦労している顔で『あっ、蟹工船だ!』と思いました(笑)」(SABU監督)


─スピード映画化

 SABU監督は、「そろばんずく」で俳優デビューした後、監督・脚本を手がけるようになった。監督デビュー作は「弾丸ランナー」。今回の『蟹工船』は発表から80年が経過していたことから、原作は著作権保護期限を過ぎており、誰がいつ映画化を行ってもよい状態だった。

「去年の7月から取り掛かって、ほぼ1年で公開にこぎつけた。はやくしないとという思いはあった」(SABU監督)


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・いよいよ船出、平成版『蟹工船』

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羽渕 比呂司
羽渕 比呂司
 大阪ガス行動観察研究所社員