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『真幸くあらば』は、映画プロデューサーの奥山和由氏が禁断の恋をテーマに手掛けた。殺人事件の犯人で死刑囚となった男と、本来はその男を憎むべき被害者の婚約者だった女が愛に目覚める。この愛は許されるのか、非か、観客の心を揺さぶる意欲的な作品>>映画詳細はこちら

 久保田将至さんは、1981年生まれ、モデルとして活躍する一方、テレビや映画で俳優の経験も重ねてきた。本作が映画初主演作品となる。


[]久保田将至 1981年生まれ。モデルとしてデビュー以降、CM、映画などへも活動の場を広げる

「奥山さんも言っていて、僕もそう思うんですが、主人公の淳とは、人間の弱さみたいなものを持っているところが似ているかなっていうのが第一印象でした。奥山さんには、引退覚悟!それくらいの気持ちでやってみろ!って、言われました(笑)。」

 人の愛情をあまり知らずに育ち、衝動的に殺人を犯してしまった淳。当初は被害者の婚約者として淳と面会をしていた薫(尾野真千子)だった。それぞれの立場を思ううち、互いに惹かれあって行く。

「淳は、自ら控訴を断念して死刑囚になるんだけど、彼女だけではなく拘置所のなかでも、出会いがあって、人の温かさを知って、生きることが目標に変わっていったのかなって思います。僕も淳と一緒に生きることに、必死でした。」


 テーマは愛、しかし、死刑囚の淳と、薫は決して触れあうことはできない関係。映画初主演となった久保田さんにとって難しい役作りとなった。

「撮影が進むにつれ、監督からは悲壮感が欲しいといわれるようになりました。僕はまだ俳優と私生活でのONとOFFの切り替えがあまりできないと思うんですよね。家に帰っても、神経が敏感になってしまったり、うまくしゃべれなかったり、淳になりきったまま家に帰っているような感じでした。」



 物語では、燃え上ってゆく恋の進行とともに、淳の死刑執行の日が着々と近づきはじめる。そんな時、満月の夜空の下で互いを思いながら自慰に耽る。拘置所の壁の内と外にあって一緒になれないはずだが、二人は愛し合い一つになる印象的な場面だ。

「薫と恋愛していて、あの行為は必然だったと思いますよ。淳も薫も何をやっているのか知らないんですよね。だから、ラッシュで観たときは、薫が淳(僕)を思ってここまでしてくれるんだって、うれしくてうれしくて涙が出てきました。撮影から少し離れた今は、客観的にみられるようになって、恥ずかしくなってきたけど(笑)。」

 久保田さん曰く、この映画は、屈折した映画が好きな人に薦めるという。決して触れ合うことができない究極の環境に置かれ、さらに加害者と被害者という立場、まさに《究極の愛の姿》を描いているからだ。


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「普通の恋愛、純愛に飽きた人に観てほしいですね。僕は、この映画の撮影を終え、充実感、達成感が大きくて、一区切りつけてしまった。モデルをやりつつ映画を振り返っているっていう状況ですね。今後の俳優としての活動はまだ決めていません。今はこの映画をみなさんに観ていただくことに全力を尽くしています。」


 この映画の宣伝で全国行脚を駆ける久保田さん、大阪の印象について、「以前は外国に来た時のような雰囲気を感じていたけど、たまたまなのか、東京とおなじような雰囲気ですね。」また自身の恋愛経験については、「ふられたことももちろんあるけど、ひどい経験とかはしてないですね。」と語った。

 久保田将至さんが主演した『真幸くあらば』は、1月9日(土)より全国公開される。



[取材:12月16日 大阪市内]
写真/文 羽渕比呂司

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羽渕 比呂司
羽渕 比呂司
 大阪ガス行動観察研究所社員