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アニメージュ定期購読していた!「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」池田鉄洋さんインタビュー


 サービス残業は当たり前、ありえない仕事量のノルマを課せられる・・・ブラック会社に入社した青年が、挫折を経験しながらも「何のために働くのか」「どうしたら頑張れるのか」を考えながら成長してゆく。ネット掲示板2ちゃんねるで話題になった、実話に基づくストーリー映画詳細はこちら>>



 池田鉄洋さんは、小池徹平さん扮する主人公・マ男の上司で教育係、ロクに仕事せず、マ男を徹底的にいじめるという役所。

「徹平ちゃんとは、ドラマに続いてのいじめられる側と、いじめる側。久々の再会だったけど、いじめるスキルは上がったんじゃないかな(笑)。いじめるバリエーションは増えたと思います。」

 ほかの出演には、品川裕、田辺誠一、マイコ、森本レオなどバラエティーに飛んだ人たちが揃う。新入社員であるマ男(小池徹平)をよってたかっていじめることになる。



[]アニメージュを定期購読していたオタクな過去を暴露した池田鉄洋さん

「徹平ちゃんは、元ニートで、特殊な状況を抱えながらも、成長し乗り越えてゆく、そんな繊細なキャラクターを演じています。お互い尊敬しあう気持ちで、徹平ちゃんはどうかわからないけど(笑)、失敗しても、無茶なことをしても怒らないって分っているから、思いっきり、いじめることができました(笑)。僕は基本M体質で、緊張シイなので、結構びくびくしていじめているんですが、徹平ちゃんの懐の深さに飛び込んでいきました。今回、そういう遠慮がすべてのキャストに対して無かったですね。みんなが良くしよう、面白くしよって思っていて。それは監督がそういう雰囲気を作り上げたものなんです。難しい現場だったら『お前!』なんて怒ったりする人もいるんだけど(笑)。」



 池田さん演じる井出は、出世欲もなく、リーダーの腰巾着。ただただ毎日、なんとなく楽しく過ごせていればいいという散々な性格。映画では多少、誇張しているかもしれないが、オフィスを見渡せば必ずどこかにいるかもしれない。

「井出はガンダムオタクっていう設定だけど、僕は自身は微妙に違うんですよね。でもアニメは好きで、これまで封印していたんだけど、実は昔、雑誌『アニメージュ』を定期購読してたんです(笑)。宮崎アニメが好きで、丁度、ナウシカが連載されていて。カリオストロの城とか、マクロスが好きでした。いつもなんでだかオタクの役が多いんだけど(笑)。今回は、オタク用語と、2ちゃんねるの用語もあって、(セリフで)どこからどこまでがオタク用語か分らず、『びっくりボンバー』って何だよって(笑)。監督からの演技指導はただ絶叫しろ!ってだけだったし、困ったこともありましたね(笑)。」

 池田さんは、1970年東京出身。劇団・猫のホテルに所属する。主に舞台で活躍していたが、ドラマ「TRICK」や「医龍」に出演、その風貌や独特のキャラクターが受け活躍の場を広げてきた。つい2〜3年前まで、4畳半のアパートに住んでいたという。

「サラリーマンの経験はないけど、バイトはいっぱいしました。掃除のアルバイトでは、有名人の家をたくさん掃除しました。今会って『あなたの家掃除しました!』なんて言える人は芸能界に結構いるんじゃないかな(笑)。今は、そんな憧れていた方々と同じ世界にいるんだと思うと複雑な気持ちですね。遅咲きだけど、4畳半の風呂無しアパートから出世してきていて、ちゃんと階段は踏めているなって思います。会社員の友達はもうハゲていて、結構、苦労してるなって人もいますね。顔みたら分かりますよ。顔合わせてもリストラにあったとか、そんな話はしないと思うけど、どうなってんだろう、考えると怖ろしい(笑)。」

 現在は、俳優のほか、執筆活動や演出も行っている。これまでの経験でブラック的な出来事を尋ねると、

「文筆やドラマ、演出とか何役もやっていて、じつは密かにもの凄く忙しい(笑)。俳優の頭、作家の頭と切り替えが大変。これまでいろんな仕事してきて、真冬の公園でパンツ一丁で、腕に羽をつけてパタパタさせて、寒くてつらかった(笑)とか、真冬の川で泳がされて、タグボートが背から近づいてきて、追われる格好になって死ぬかって思ったとか、結構、お笑い芸人みたいな経験を積んでいます。20代だったからやれたけど、今なら死んでます(笑)。」

 また、これまでの仕事を通して、様々な人を見てきたと語る池田さん。上司には腰巾着、部下には徹底的にいじめる、そんな今回の役柄に大いに参考になったという。

「若手の俳優なんだけど、これが太鼓持ちで、大きなドラマに出演したときなんか、有名な俳優さんを持ち上げて、持ち上げって、『うそだろ!?』っていうこととか、会社でもそうかもしれないけど、この世界は特に人間臭いからなのか、エゴが強い人が多い。参考にできる俳優さんはいっぱいいました(笑)。でも、チャーミングなところも持ち合わせていて、憎めないんですよね。そういう部分も大事だと思い、チャーミングな部分を残すことも意識しました。」

 ブラック会社とまでは行かなくとも、組織で働くとは、欲望やエゴが渦巻く人間関係の中で働くということ。マ男は「限界かもしれない」と思いつつ、働く意義や、希望を見いだそうとする、そんな部分に共感できるのではないだろうか。この映画は、2ちゃんねるの書き込まれた実際にある話が元になっている。書き込んだマ男は、名古屋にあるというその会社で今も働いてるという。

「マ男はかつてニートで、母の死をきっかけに人生の一歩を踏み出すんだけど、誰しも頑張るきっかけはあるはず、それを見つけられたか、見つけられなかったのかの違いだと思います。みんな頑張れるし、その力を持っている。だからこの映画を観ると勇気をもらえるんじゃないかって思うんですよね。」

 池田鉄洋さんが出演した映画「ブラック会社に勤めているんだが、もう俺は限界かもしれない」は11月21日(土)より全国公開される。

◆関連情報…徹底的にいじめられ・・・「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」小池徹平さん、池田鉄洋さん舞台挨拶

◆池田鉄洋プロフィール
1970年東京生まれ。劇団「猫のホテル」所属。俳優のほか、脚本・演出も行っている。主な出演作品に映画「ハチミツとクローバー」、「トリック劇場版2」、ドラマ「医龍」のほか、NHKのバラエティ「サラリーマンNEO」など。


[取材:11月6日大阪市内]
写真/文 羽渕比呂司

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羽渕 比呂司
羽渕 比呂司
 大阪ガス行動観察研究所社員