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─上方歌舞伎、女形で活躍の片岡孝太郎さんロングインタビュー

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長野県の伊那谷(いなじ)村に伝わる村歌舞伎に魅了された男たちを描いた「Beauty うつくしいもの」が公開。主演は上方歌舞伎、新世代の女形として活躍する片岡孝太郎、共演は片岡愛之助、麻生久美子。歌舞伎を題材に歌舞伎役者たちが演じる・・・映画詳細はこちら>>



─映画俳優は一度だけだと思っていたが

孝太郎さんがスピルバーグの「太陽の帝国」へ出演してから20年が経つ。映画出演はそれ以来となる。

「1億円の仕事があると言われオーディションに参加したんです。最終選考で本物のスピルバーグに会って、もうこれでいいやって思ったんですが、出演となって驚いた。ハリウッド俳優と共演できてうれしかったですね」と当時を振り返る。

それ以降、本業は歌舞伎役者だという思いがあり映画への出演はしなかったという。しかし後藤監督と祖父(片岡千代之助)との縁があって、本作への出演を決めたという。

「祖父からもらった話、お前行って来いとい!と言われているみたいで、出演することにしました」


─戦争・・・決して遠い存在ではない

戦争という時代の苦難を乗り越えながら歌舞伎を伝承するために舞台に立ち続ける半次を演じている。戦争という出来事がターニングとなって、つつましく生きる村人たちの人生を大きく変えてゆくことになる。

孝太郎さんは、父、祖父の体験を聞いたり、本歌舞伎も戦争によって翻弄(ほんろう)された歴史もあり、戦争は身近なものという印象を持っているという。

「戦前は大阪に住んでいたが空襲が激しくなり、父(片岡仁左衛門)は京都へ疎開した。京都に住むようになったのはそれからですし、当時、歌舞伎役者はたくさん従軍していった。戦地への慰問で歌舞伎を演じた人もいる。戦後はGHQの制約で上演できなかった話なども聞いていて、決して遠い存在ではないです」


─10代から、70代まで歌舞伎を愛する男を演じる

相手役の雪夫には、本歌舞伎でも相手役として同じ舞台に立つ片岡愛之助さんが出演する。

「役の上で、歌舞伎を演じることになる。共演者は同じ歌舞伎役者じゃないと、バランスが取れなくなると思っていたので、丁度よかったですね」

孝太郎さんは、10代から70代までの一人の男を演じている。白塗りの老人の特殊メイクは前代未聞、これにはハリウッド流の特殊メイクが用いられたという。

「10代を演じるときは、朝からエステに行って肌を若返らせ、老人の時には何時間もかけて特殊メイクをする。大変だったけど、楽しかったですね」

難しかったのは、年寄りになってから半次が最後の歌舞伎の舞台に立つ場面だと語る。

「年寄りの舞いは力は無いけど、型はいい。芸の上で到達した表現をしなくてはいけない。役の上での歌舞伎を演じなければならないし、しかも長袴を履き、足が悪い役、加減が難しかった」


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・共演者とは常に戦う!
・最後・・・結局わからないですね
・まさにBeauty、大自然の伊那谷(いなじ)村
・孝太郎と愛之助の脱走劇

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