このエントリーをはてなブックマークに追加
2011年07月11日 配信

「ネコナデ」「幼獣マメシバ」「ねこタクシー」の、おじさんと動物という異色コンビシリーズ最新作は、サモエド犬と犬嫌いの犬飼さんのコンビが綴る『犬飼さんちの犬』(公開中)。主演した小日向文世さんに話を聞いた。


「撮影は、去年の12月中ごろから1月いっぱいかかりました。30分のドラマ版を12本と、映画を同時に撮影しました。移動時間はセリフを覚えなくちゃいけないし、睡眠時間が2、3時間。休みは元日と2日だけでとてもハードでした。共演したサモエド犬は、全部メス。可愛くて、ひとなつこくて穏やかで、ワンちゃん見ているだけでいい。この子たちが居たから乗り切れた気がします。」

小日向さん扮する主人公の犬飼さんは、大の犬嫌い。単身赴任から1年ぶりに家に帰ると、大嫌いな犬が家の真ん中に鎮座。とても困惑するが、子どもたちは父親が居ない寂しさから飼うことになったという理由を知り、一念発起で交流を試みる。犬とのふれあいの中で家族の大切さに気付くというストーリー。

「僕自身は犬を飼っていて犬は大好き。きなこっていうオスです。長男が中学受験をするときに勉強ばかりじゃかいわそう、少しでもゆとりを与えられたらって女房が言うから飼うことになりました。飼い始めたころは、気が休まらなかったです。オスだからか女房を独占しようとするんですよ。仕事から帰ると僕のベットにいて、入ろうとすると吠えられる。嫌がらせかわかんないけど、枕にウンチ付をけられてたこともありました(笑)。」

小日向さんは、北海道出身。東京の写真専門学校を卒業後、1977年にオンシアター自由劇場に入団する。96年の解散まで同劇団の中核メンバーとして舞台で活躍。解散後はテレビや映画に活動の場所を広げた。

「写真の専門学校に通っていた当時、みんな就職していくんだけど、僕は本当にやりたいものはこれじゃないなって思ったんです。何がしたいんだって自分自身に問いかけていくと、俳優になりたいっていうのがぽろっとでてきた。それまでは自分が俳優になるなんて考えるのも恥ずかしいって思っていたんだけど、小さい頃、学芸会で演技をしたことが楽しかったってことをしっかり覚えていたんですよ。それまで恥ずかしくて蓋をしていたんですね。それで劇団に入りました。でも入っても、なかなか役に付けない。役に付けても今度はダメだしされる。バイトしなきゃ食えない。つらかったけど俳優を辞めたいって思ったことは1回もないんですよね。やっぱり好きだったんだなって思います。劇団には23歳から42歳までいて、19年間舞台にずっと立っていました。最近は舞台に立つのは2年に一回とかそんなペース。今お客さんの前に立つとものすごく怖くなります。恥をかきたくないとか、褒めてもらいたいとか、役者の欲張りが出てきたんでしょうね。なんでもかんでも舞台に出るってわけにはいかなくなりましたね。共演者とか、演出とか納得できる作品を選んでいます。神経質になりました。」

家庭では妻と二人の兄弟と犬との暮らし。家に居ることがとても好きという。

「いま映画の撮影で京都に来ていて、2日位休みがあって僕は家に帰りたいから『帰ろうかな』って女房に話すと、女房に『帰らなくていいから!』って言われたんです。これはもっと京都を楽しんでくればいいじゃないって意味で言ってくれているのか、本心でそう思って言っているのか、どっちなんだろって考えちゃうんですよね。東京で仕事するときは必ず家でごはんを食べます。僕は女房といつもいたいから結婚したわけで、子どもが出来ようと結婚したての時にように一緒にいたって思うんですけど、妻にしたら面倒なんでしょうね。僕は成長してないんですよ(笑)。昔、『亭主元気で留守が良い』って言葉が流行ったけど、流行っているときはピンとこなかったけど、今になるとうまく言ったもんだなって感じます。父の日も過ぎましたけど。何もなかったですね。昔はもらったけど。息子たちも部活で忙しいし(笑)。でも母の日は何かあげていた気がするけど。僕にはなかったですね。忙しいく家に居ないことも多くて、家族といると会話に入れないこともあります。ふれあいは積極的にしないといけないなっていつも反省しています。犬飼さんと共通するところを感じます。」



『犬飼さんちの犬』は、東京・新宿シネマスクエアとうきゅう、大阪・シネリーブル梅田ほか全国ロードショー公開中。
◇映画詳細はこちら




6月21日 大阪市内
取材/写真・文 羽渕比呂司

The following two tabs change content below.
羽渕 比呂司
羽渕 比呂司
 大阪ガス行動観察研究所社員