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2011年11月11日 配信

映画『恋の罪』(11月12日公開)は、「愛のむきだし」「冷たい熱帯魚」など強烈なインパクトを与える作品を送り出してきた園子温監督の最新作。90年代に渋谷区円山町のラブホテル街で実際に起こった殺人事件をモチーフにしたオリジナル脚本。本作でもその持ち味は遺憾なく発揮されている。


「園監督の作品は好きでよく観ていました。ふりきった表現方法、ストーリーが刺激的。こんな監督は他にはいないんじゃないかな。繊細さを秘めた個性が好きです。園監督は1シーンを長い回しで撮るスタイル。現場のテンションや緊張感を大事にする監督だと思いました。脚本に書いていること、現場で監督が無言で発していることから感じとってねって、いう感じで現場でのコミュニケーションが蜜でした。でも、造形物、蛆虫、死体が入るシーンでは、手をどろどろにしながら、はりきって監督自ら微調整するんです。寝転がって雨漏りで水を被るシーンでは、監督が私に馬乗りになって、ペットボトルで水をかけられました。」

水野さんは殺人事件を追う刑事を演じる。刑事でもあるが、主婦でもあり、一見すると夫と子ども共に幸せな家庭を築いているように見えるが、実は満たされていない。この映画では、満たされていない欲求を抱える3人の女性を中心にしたストーリーが展開する。

「母親であり刑事であり、不倫もする女。違和感を持つことなく演技できました。女性はみんな場所場所にあわせて演技をしている。女性ならみんな納得できる感覚だと思います。神楽坂恵さんが演じたいずみも、ふとしたきっかけで一つ扉を開けてしまい落ちてゆく。仕事や家庭が満たされていても女性として満たされていないと渇望が生まれると思う。そこを乱してくれる人と出会ってしまうと、引っ張られていってしまうっていう感覚はあると思います。」

水野美紀さんは、1974年三重県生まれ。「踊る大捜査線」「ビューティフルライフ」など映画や舞台に出演する。また自ら演劇ユニット「プロペラ犬」を主宰するなど多義にわたる活動を見せる。本作で初めてフルヌードに挑戦した。

「客観的に自分の裸なんてみることがないから、試写のときはドキドキしました。自分の体が写りこんでいることが不思議でした。いろんな世代の人に感想を聞いてみたいと思います。これほど刺激的で毒のある映画は他にはないと思う。たまには体に毒を入れることも大事だと思う。本当に全ての人に観てもらいたい、60、70代の人、高校生が観たらなんと思うか…でもR18指定なんで観られないか…(笑)。監督のセンスと情熱がたくさん詰め込まれた作品。もし私が出ていなくても観たい作品です。」



『恋の罪』は、11月12日(土)より東京・テアトル新宿、大阪・シネリーブル梅田ほか全国公開される。
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9月26日 大阪市内
取材/写真・文 羽渕比呂司

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羽渕 比呂司
羽渕 比呂司
 大阪ガス行動観察研究所社員