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2011年06月09日 配信

『エクレール・お菓子放浪記』に出演した、いしだあゆみさんと近藤明男監督が大阪市内でPR会見した。


『エクレール・お菓子放浪記』は戦時中、両親と死に別れ孤児となった少年が、様々な人との出会いと別れを繰り返しながら、必死で生き抜いてゆく姿を描く。西村滋の自伝的小説が原作。いしださんは、孤児を里子として引き取り、働きに出す意地の悪いおばあさんを演じた。

「時代背景が戦中戦後、カネカネって言って生きることにせいっぱいのおばあちゃん。これくらいたくましくないと生きて行けないと思う。昔はこんな怖いおばあちゃんが近所にいた気がします。なんでも教えてもらえそうで、私は凄く好きです。私は怖い人が好き、怖い人が近くにいないとダメになっちゃいそうで。15歳でデビューしたけど、おばあちゃん役ができるまで続けられるなんて思っても見なかったです。仕事は大好き。60過ぎてなんでもできるってわかりました。早く70になりたいと思うくらいです。」(いしだ)

石巻市など宮城県や福島県が舞台。撮影は昨年10月から11月にかけて行われた。エキストラに参加した570名のうち約400名が石巻市民。その多くが今回の震災で被災した。渡し舟の船頭として出演した人など2名が亡くなり、数名が行方不明という。震災前の最後の姿を記録した映画となった。

「大資本のスケールが大きな映画ではないけれど、映画好きが作った手作りの映画。誇りを持っています。映画が完成して、3月26日に石巻で試写会をやって、4月10日から石巻で先行ロードショーをする予定でした。石巻のみなさんと『石巻が有名になればいいね』なんて言っていたんだけど、こういう形で有名になるのは残念。近いうちに石巻で上映して、早く元気になってもらいたいと思っています。」(近藤)

「漁港の近くを散歩したり、短い時間だったけど、密度の濃い思い出がいっぱい。石巻の人にはお世話になりました。なんのお礼もしないまま、こんなことになるのは悲しい。石巻ってこんなきれいな場所なんだよって、自慢っていうか、誇りをもってもらえる映画になったと思います。
渡し舟の船頭さん。撮影の時はカメラの位置に船をもってくるようにとか、ずいぶん文句を言いました。船頭さんは汗をだくだくかきながら一生懸命やってくださった。その時、写真を一緒に撮ったんですが、その写真やアルバム全部、津波で流されたそうです。映画のスチール写真をご家族に差し上げたら喜んでくださったと聞いています。
本当は石巻のみなさんに一番最初にみてもらうはずだったのに……。でも震災後は、日本全体がやさしくなっている気がしています。みんな忙しくて忘れていたんだけど、今回の震災をきっかけに再認識したんじゃないでしょうか。この映画で私もいろんなことを勉強しました。」(いしだ)



6月11日(土)より、大阪・テアトル梅田、18日(土)より、神戸・元町映画館ほか、全国順次公開。
◇映画詳細はこちら


5月25日 大阪市内
取材/写真・文 羽渕比呂司

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羽渕 比呂司
羽渕 比呂司
 大阪ガス行動観察研究所社員