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2011年01月20日 配信

『ソーシャル・ネットワーク』(公開中)が話題だ。本作はマーク・ザッカーバーグがハーバード大学在学中、19歳のとき立ち上げ、現在ユーザー数が5億人を突破した“フェイスブック”成長の過程を描く。マーク・ザッカーバーグは、2010年、雑誌フォーブスが選ぶ「世界で最も若い億万長者」の第1位に25歳で選ばれ、推定資産額は40億ドルといわれる。地位と富を得え“フェイスブック”は誰もが認める世界最大のSNSに育った。

 現在進行中の題材をテーマにした鮮度の高さはもちろん、マーク・ザッカーバーグが抱えてきた2つの裁判で明らかとなった裏切りや陰謀など秘められた暗部を繊細に描くことで興味を誘う。日本でも15日に公開されると、公開2日間で興行収入1億6千万以上を稼ぎ出し、初登場1位を記録した。



 16日(日本時間17日)に発表された第68回のゴールデン・グローブ賞では、作品賞・監督賞・脚本賞・作曲賞の4部門に最多ノミネートされた。ゴールデン・グローブ賞は、アカデミー賞の前哨戦と言われており本年度アカデミー賞の受賞の期待は高い。

 本作で、主人公のマーク・ザッカーバーグを演じたのは、1983年、ニューヨーク生まれのジェシー・アイゼンバーグ。舞台や映画で演技を学び、02年にインディーズ作品で俳優デビューした。今、最もアカデミーに近いといっても過言ではない作品に主演した彼と、過去に「ア・フュー・グッド・メン」(‘92)でアカデミー賞やゴールデン・グローブ賞にノミネート、今回の第68回ゴールデン・グローブ賞でも脚本賞にノミネートされたアーロン・ソーキンのインタビューを収録した。

◆主演:ジェシー・アイゼンバーグインタビュー
─この役の好きな点
「デヴィッドと会ったとき言われたんだ。アーロン・ソーキンの書いた台詞をちゃんと言える人が見つかってホッとしたって。僕は舞台の仕事をたくさんやってきた。舞台劇の脚本は、アーロンの書くスピーディでウィットに富んだ文章のスタイルに似ているものがよくある。僕は、普通の映画的な台詞よりも、そういう台詞の方が安心してできるんだ。」

─監督デヴィッド・フィンチャーとの仕事について
「彼はとても個性的で思慮深い人だ。そして役者と同じくらい、あるいは役者以上に、それぞれのシーンで僕らが何をすべきか考えている。本当に有難い人だ。おそらく撮影に携わっている人たち全員が言うと思うよ。彼が、自分と同じくらい、あるいはそれ以上に自分たちの仕事について考えているってね。それは怖いことのようでもあるけれど、同時に励みにもなるんだ。」

─ジャスティン・ティンバーレイクとの共演について
「ジャスティンがあの役を演じると聞いて、最高のキャスティングだと思った。僕が演じるマークは、彼のことをロックスターのように崇拝しているからね。まるで天国から降りてきた人のように彼を見ることは簡単だった。僕はずっとジャスティンに畏敬の念を抱いていたからね。子どもの頃から、彼がどんな人か知っていたし、彼のことが大好きだった。だから、ジャスティンがあの役を演じるというのは、僕自身にとって最高に素晴らしいことだった。彼は見事な演技をしていて、役にカリスマ性を与えている。それと同時に、音楽業界に修復不能のダメージを与えたアプリケーションソフトを作った男を、ミュージシャンである彼が演じているというアイロニーもある。そういう面でも面白いキャスティングだ。」

◆脚本:アーロン・ソーキンインタビュー
─フェイスブックを作った映画中の“マーク・ザッカーバーグ”のモチベーションについて


「彼がフェイスブックを作ったのはお金のためでは一切ない。それは確かだ。彼には二つの動機があったように思う。そのうちの一つは、クールなグループの一員になりたいということ。最初のシーンで彼自身が言っているように、全員がSATで1600点とっているような人たちの中で、何とかして自分を際立たせたいと彼は思っていた。そのためにはどうするのかということだ。それまでの彼は、どこに行っても少なくとも一番頭がいい人間ではあった。それなのに、ここにはそういう人たちばかり集まっているから、あまり目立たない存在になってしまっているんだ。もう一つの動機はもっと純粋で正直なものだ。誰かが曲を作ったり、絵を描いたりするのと同じで、彼には自分が創り出したいものに対するビジョンがあって、それを実現させたかったんだ。」

─作品のメッセージについて
「この作品を見て考えることは人それぞれ違うだろうね。まず、訴訟の内容について誰が悪いとか悪くないということに関して、皆違う意見を抱くだろう。より広い視野に立った問題としては、この作品が、今のインターネット上でのコミュニケーション方法について言っていることに対する意見も人によって違うだろうね。」

─作品の普遍性について
「作品の中心となっている発明はこれ以上ないほど現代的なものではあるけれど、友情、忠誠心、嫉妬、権力、さまざまな欲望や恨みといったテーマは、物語りの歴史と同じくらい古いものだ。エスカラスやシェイクスピアが書いていたテーマだ。パディ・チャイエフスキーがつい数十年前に書いていたテーマだ。ただ今回、そういった人たちの都合がつかなかったから、幸運なことに僕が書くことができたんだ。」

映画『ソーシャル・ネットワーク』は全国公開中。
◇公式HPはこちら

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羽渕 比呂司
羽渕 比呂司
 大阪ガス行動観察研究所社員