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_陣内孝則さんが、本当の交渉人だった?

 『交渉人 THE MOVE』乗員・乗客159人を乗せた飛行機が、1万メートルでハイジャックされた。玲子は自らの命をかけて、ハイジャック犯に立ち向かう─。テレビ業界で活動を続け、本作で映画監督デビューとなった松田秀和監督と、国と犯人、そして米倉涼子演じる玲子と交渉し、ドラマ展開の要となる上司・桐沢圭吾を演じた陣内孝則さんにインタビューを行った。>>映画詳細はこちら



 「交渉人」は、警視庁 捜査一課 特殊犯罪捜査係で働く宇佐木玲子(米倉涼子)がもつ強力な美貌と体力を駆使して、現代社会の闇に潜む事件を次々に解決してゆくストーリー。これまで、テレビドラマとして2シーズンとスペシャルドラマが放映され、初めて映画化された。

陣内:テレビシリーズでは、警察内部でも孤立した特殊捜査班に米倉涼子さん演じる宇佐木玲子が入ってきた。最初はこんなところへ来ないほうがいいよって対立していたけど、映画では、お互い認め合っているっていう構図になっています。ドラマであれだけ事件を解決した玲子の力量を認めてない方がおかしいですよね(笑)。上司と部下の信頼関係というか絆というか、そういう繋がりをうまい具合に表現できたらいいなって思いました。

 159人を人質にとったハイジャック事件。高度1万メートルの密室で、犯人に立ち向かう玲子。一方、陣内さん演じる桐沢圭吾は、犯人からの厳しい要求と、国の利害の間に挟まれながら、上空で危機迫る玲子を懸命にサポートする。

陣内:映画は派手な場面が多いんですけど、僕は室内で無線で交渉したりと、動かないシーンが多い。機内、159人の命を常にイメージし想像力を試されましたね。僕のシーンでドラマの動きを止めちゃいけないって、プレッシャーを感じていました。

監督:陣内さんは、米倉さんや(犯人の)反町さんの芝居を全然みてないんですよね。それで芝居をしなくちゃいけない。政府の要人との交渉、犯人との交渉、それを米倉さんに伝えないといけない。今回の映画で本当の交渉人は、陣内さんですよ!


 陣内さんと、松田監督は、1988年のドラマ「君の瞳をタイホする!」からの付き合いだという。

陣内:こんなたくさんテレビディレクターが映画を撮る時代に、松田さんが映画を撮ってなかったのは不思議なくらい。松田さんの現場は、現場にリズムを作って、のせてのせて撮ってゆくというタイプ。現場が熱を帯びてきて、よく運ぶんです。でも、今回は初っ端で天候にたたられて、台風が通過していってワンカットも撮らずに撤収したことが3回ぐらい続いたんです。早撮りの監督なんですが、相当めげてましたね(笑)。

監督:めげてましたね〜。ワンカットも撮らないのにセットやエキストラ代はかかるから、400万円が、2回位飛んでいった。こりゃ撮影は終わらないなぁって(笑)。陣内くんは僕の顔をみて、最初は上手くいかないほうがいいの!って言ってくれたけど。

陣内:無駄にするのがいいんですよ。かつて勝新太郎さんが、言ってましたよ。テレビは10万円のものを100万円にみせるもの。映画は100万円で遊んだものを、10万円にみせるもんだって。無駄も絵の中の一つだって。

監督:深いね〜。



 映画は、レギュラー出演陣のほか、スタッフも、テレビシリーズと同じ体制で制作が進められた。

監督:映画化の話が来たとき最初は『映画のスタッフでやりなさい』って、言われていたんです。でもプロデューサーの内山さんが『現行のスタッフじゃなければやりません!』って思い切って言ってくれた。これはテレビで成長した物語だから映画もテレビのスタッフで作るんだって。テレビのスタッフだと映画は作れないとか、そういうのに打ち勝ちたかったんです。

陣内:偏見に見られがちですよね。でもテレビ監督のほうが、ドラマを作り上げてきた量が違う。ノウハウは多いと思いますよ。

監督:映画になるとさすがにスケールが違う。スタッフ、役者も魂を僕にほおり投げてくれる感じがしました。最初、(天候で)けつまずいた分だけ、自分の中で燃え上がるものがありましたね。



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羽渕 比呂司
羽渕 比呂司
 大阪ガス行動観察研究所社員