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2010年06月01日 配信

 山の中にあるシーサイドモーテル。そこにやってきたワケアリ男女11人が、4つの部屋で奇妙な一夜を過ごす。抜け出せるのは一体誰なのか。主演は生田斗真、共演に麻生久美子、山田孝之ら豪華キャストが揃った『シーサイドモーテル』が6月5日より公開される。デビュー作「スクールデイズ」で高い評価を得て、本作が長編2作目となる守屋健太郎監督に話を聞いた。


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_この映画では、俯瞰の目線で人の中に潜むおろかさ、おかしみ、なさけなさといった部分をコミカルに描きたいと思いました。原作は漫画なんで、セリフも現実離れしたものや独特な言葉があります。この漫画チックな誇張されたキャラクターのなかに、人間の本質、リアルな部分を出せないかって考えました。

_麻生久美子さん演じるキャンディは、原作ではきゃぴきゃぴしているんだけど、映画では三十路前、指名も少なくなってきて、そろそろ潮時って感じているコールガールという設定に変えました。こんな風に各人物に影の部分を加えて、一人一人の人物をしっかり描くようにしました。



_古田新太さんは、僕の学生時代からの20年来のファンで、今回一緒に仕事ができて嬉しかったです。古田さんはセリフの咀嚼の仕方が半歩じゃなかったですね。ニュアンスを変えるだけなんですが、キャラクターが深くなったり人間性が明確に現れてきたり、僕の方が勉強させてもらいました。

大変だったのは、202号室の撮影かな。山田孝之さん、成美璃子さん、温水洋一さんなど最大で5人が演じます。さらに璃子ちゃんが縛られてしゃべれない、でも、ちゃんと存在感を出さないといけないとか、各役者さんのバランスを取るのが大変でした。

あと、ダーティーでワイルドなキャラクターな山田孝之はあまり見たことがない!本人も「こういう役を待っていた」って言ってくれて、凄く嬉しくなりました。今回は、いい役者さんを揃えられて、僕はモニターを見ながらニヤニヤしていました(笑)。


【】1968年、東京生まれ。92年テレビマンユニオンに参加、ドラマやCM、ミュージックビデオなど手がける。2005年「スクールデイズ」で長編映画監督デビュー。

_今の状況からもう一歩踏み出したいともがいている。その先に何かを見つけたいと思う話です。閉鎖されたシーサイドモーテルにいる全員の気持ちを代表しているぴったりな曲が主題歌に使ったシャネルズの歌う「ランナウェイ」(=逃亡者)でした。昔の音源を使わしてもらうのは大変なんです。新曲作ったほうが楽だったりするんだけど、今回は快く提供してもらえました。

_山の中にあるシーサイドモーテル、その各部屋に飾られた海の写真。各登場人物はそれをどうとらえるのか。単なる写真としか見られないのか、写真の向こうに本当の海を見ることができるのかで、モーテルを出た後の生き方が変わってくるんです。

映画では結局、誰も幸せになった人がいないんですが、それにもかかわらず後味のいい映画、エンターテイメントとして楽しんでもらえる映画を目指しました。


『シーサイドモーテル』は6月5日(土)より、東京・新宿ピカデリー、大阪・梅田ガーデンシネマほか全国公開される。

大阪市内
取材/写真・文 羽渕比呂司

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羽渕 比呂司
羽渕 比呂司
 大阪ガス行動観察研究所社員