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 4月15日、奈良の薬師寺(奈良薬師寺 慈恩殿 奈良県奈良市西ノ京457)にて『春との旅』(5月22日公開)の映画奉納式が主演の仲代達矢さんが出席して、国宝・薬師三尊像が祀られている金堂にて厳粛に執り行われた。

本作のテーマは“最後にどう生きるか”を問うものこれまで“どう生きるかの”問いに答えてきた薬師寺を訪問することになった。世界遺産、薬師寺での映画奉納式ははじめて。映画の台本と本編が入ったDVD、そして、映画の顔であるポスターが薬師寺最高管主である山田法胤氏へ手渡された。>>『春との旅』映画詳細はこちら

<奉納式をされていかがでしたでしょうか?>

仲代:こういう行事は俳優になって60 年にもなりますが初めての出来事で非常に我々が作った映画が奉納されるっていうことは非常にありがたいことでもあるし、厳粛なことでもあります。

<仲代さんは昨日大阪のお客様とご一緒に映画を見られたということですが?>

仲代:自分で出ててこんな事をいうのはなんなんですが、あーすごいイイ映画を作ったんだなと、愚かにも自分が出ていながら涙をながしたりして、素晴らしい映画だったなと、私も年をとったのかなと思いました。改めて、小林監督の意図、この映画を作った意図っていうものが、間合いのとりかた、人物の設定、そういうものをもう一度再確認して、あーこの映画に出られて幸せだったなと思っております。

仲代:小林監督とは初めてなんですが、オリジナル脚本というものが監督が書き始めて7〜8 年かかったそうです。
 60年間映画をやってきて、こんなすごいシナリオに出会ったのは初めてだった。早速、出させて下さいと申しあげたんですが、私、まさにシナリオ通りに役者として何を工夫するとかしませんでした。監督がかいたシナリオ通りにセリフ通りに動きどおりにやった結果。ですから、もし、忠男像というのがうまくいっていたら監督のおかげだ。もし、まずくいってれば、監督のせいだと思っています(笑)。
 でも、なんていったてシナリオが一番、悪いシナリオで良い映画は絶対できないので、20代は色々な監督に使っていただきましたが、晩年を迎えた老俳優にとっては小林監督とこの作品で出逢ったことは非常に嬉しく思っております。だから演技的にはなんの苦労もしておりませんでした。
 最後のシーンで兄弟を訪ねて、みんなそれぞれの事情があって断られて、全く血のとおっていない他人に言われたセリフの後に、孫の春に向かって「そろそろおいとましようか?」っていうセリフがあって、このへんは監督の本能なんですが、(最後のシーンで)逃げ出すんですが、あの坂を足が悪い忠男と小さなガニ股の春が坂道を走らされるんですが、いくら走ってもOKとカットの声がないんですよ。あの道がなくなっても、あのまんまんだってそれがつらいといったらつらい。

<薬師如来様のまえでどのようなことを感じたか?奈良という土地で奉納された意味をお伺いさせていただきたいです。>

仲代:20年ぐらい前、薬師寺にきて、奈良に芝居をもってきたのですが、それ以来なんです。仏法に関してはあらかじめ、2冊の山田管主の本を拝見して、非常に明快で、人間の生きざまに関して、人間の生き方に感心しました。やっぱり、感動を与える仕事でして上手くいかなくて感動をあたえられない場合もありますが、そういう意味では人間って何かっていう哲学的な問題ではあるが、生きるとは何かというのを根底において物事の芸能の世界でやってきたつもりです。
 仏法に生きるってのと人間が生きるってことと、我々が自分は何者かを追求するのが哲学といってが、もしかしたら仏法に繋がるのではないかと思っている。初めての経験ではありますが、奉納することの意味をありがたくおもっております。

<最後に一言>

仲代:去年映画をとったあと、ついこのあいだ2本芝居を終えてきたんですが、芝居を2本いれたんですけどいつまでも気が残る作品でして、監督が言われたように多くの人にこの映画をみていただきたい。そのために当分キャンペーンでずっと働きます。(笑)

5月22日(土)より新宿バルト9丸の内TOEIほか全国ロードショー



◇関連情報
『春との旅』主演の仲代達矢さん、この映画は、出演映画160本のうち5本の指に入る!!

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羽渕 比呂司
羽渕 比呂司
 大阪ガス行動観察研究所社員