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2010年12月27日 配信

『洋菓子店コアンドル』(2月11日公開)の深川栄洋監督と出演した江口洋介さん、蒼井優さんが、大阪市内のホテルで記者会見を行った。



 映画『洋菓子店コアンドル』は、かつて天才と呼ばれたが、今はケーキづくりをやめた元パティシエ・十村と、鹿児島から恋人を追いかけ上京してきた実家がケーキ屋の娘・なつめが、ケーキ作りを通して交流を重ねてゆくことで、それぞれが抱えている問題を乗り越え、新しい生き方を見つける再生の道を辿る。

 江口洋介さんは、天才パティシエという役どころ。専門学校で実際に授業を受けるなど役作りを行った。

(江口)
「伝説のパティシエという役柄、手元がしっかりしていないとリアリティがわいてこないって思いました。専門学校で勉強している大勢の生徒さんをみると、パティシエってこんなに憧れの職業なんだなって改めて認識させられました。僕は料理を作るのは嫌いじゃないんだけど、さすがにケーキは作ったことはなかった。でも、映画のために家で作りましたよ。ブルーベリーでデコレーションして、デジカメで撮ったりね(笑)。」

 蒼井優さんは、鹿児島のケーキ屋の娘・なつめ役を演じた。ケーキ作りと共に鹿児島弁に苦労したという。

(蒼井)
「普段から、ケーキを作るのは好きです。ただクリーム絞りとかチョコレートを使ってデコレーションをするっていうのは慣れなかった。でもそれは何回かやっていると体が覚えてゆくもの、途中から心配はいりませんでした。鹿児島弁の方は、まったく独立した方言で外国語を覚えるような感覚でした。油断して気を抜くとフラガールで覚えた福島弁や、両親の実家がある大阪弁になってしまう(笑)。方言の方が大変した。」

 監督の深川栄洋さんは、これまで「60歳のラブレター」「半分の月がのぼる空」などで話題を集め、「白夜行」「神様のカルテ」など続々と公開待機作品がある注目の若手監督。

(深川)
「ケーキって、どんなにお腹がいっぱいのときでも食べられる。そして食べると幸せになれるマジックのような食べ物。僕の実家は、内装職人で、昔から職人さんが出入りするなかで育ちました。職人さんの話を作りたいって思っていたんです。パティシエも、一見華やかにみえるけど、仕事は鍛錬、訓練の毎日。ケーキという小さな芸術をお客さんに披露するのは素敵じゃないかって思ったんです。ケーキ作りにかけた人の想いを、ケーキの物語を通じて表現できるのではないかって思いました。」

 江口さんは主演のオファーが来た時、自分にパティシエというイメージがなく戸惑ったという。

(江口)
「最初、蒼井優ちゃんとケーキ作りをして、楽しくて明るくて、若い女の子が観にきてくれるコメディかなって思ってました。それは“ケーキ”が連想させるイメージだと思うんだけど」

(蒼井)
「一見かわいらしい話を想像しがちだけど、それだけではなくて、人と人との繋がり、生活してゆくうえでの繋がりなどが描かれて、だだの甘い映画ではないと言いたい(笑)。深川監督は『映画で何を伝えたいのか』『何を撮りたいのか』がはっきりしている監督だなって思いました。撮影の現場では思ってないことがたくさん起こるんです。大変なことがいっぱいあるんだけど、私だったら心が折れそうなことも、深川監督はやりたいことは譲らない、尊敬します。江口さんは凄くどっしりとされていて、いつも私たちの集団の一番後ろで、私たちに漏れがないのか見守ってくれているかのような、頼もしい存在でした(笑)。映画はケーキを食べたのと同じように観た人の気持ちを、少し膨らましてくれるそんな映画になってるって思います。」

 深川監督と江口さんは、何度もディスカッションを重ね、専門学校に通ったり、店を回ったり、自分でもケーキを作るなど、次第にパティシエという職業、十村という伝説のパティシエ像を作り上げていった。

(江口)
「蒼井さんは、これまで映画やテレビで観て、僕が想像していた通りの人でした。ヒステリックに聞えちゃうようなセリフでも彼女が喋るとかわいい。そんな彼女のムードがこの映画のほんわかしたムードを作っていると思います。映画の公開は丁度バレンタインの時、人間模様もしっかり描かれているけど、ケーキも、もう一つの主役のように綺麗に撮れている。映画を観に行って、そのあと『ケーキでも食べに行こうか』っていう充実した一日が過ごせる映画になっていると思います。」

『洋菓子店コアンドル』は、2月11日(土)より全国公開される。
◇公式HPはこちら

11月29日 大阪市内
取材/写真・文 羽渕比呂司

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羽渕 比呂司
羽渕 比呂司
 大阪ガス行動観察研究所社員