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 浅草に着いた時、空にはどんよりとグレイの雲がたれこめ、スカイツリーのてっぺんは流れの速い薄い雲の層に見え隠れしていた。7月10日、台風が西日本からゆっくりと東へ進み、明日は東京に最も接近するという。今夜も天気予報はびっしりと並ぶ雨マーク。もういつザァーっと降り出してもおかしくない空模様だ。 何もこんなリスキーな日に浅草なんか行かなくても・・・と言われそうだが、こんな日だからこそ行くことにますます意味がある!と、産後初の浅草寺へと向かった。

 というのも、7月10日は四万六千日。 この日に浅草寺へ詣でると、4万6千日分お参りしたのと同じになるという、ご利益の超サービスデーなのだ。 そして、それにあわせて境内にはほおづき市が立つ。 以前、テレビで取材したこともある縁日だ。その時の私は未婚で、スカイツリーもまだ出来上がっていなかったっけ・・・なんて書くと、もう随分昔のことのように思えてくる。そんなことを回想しながら歩く仲見世には、思いのほかたくさんの人がいた。 まぁ、ほおづきを買って帰る人以外は、ほとんどがアジアからの観光客だが、それでも、ポツリポツリと額に小さな雨粒が落ちてくるような日なのにこの人出とは、さすが浅草。

 仲見世と言えば、ちょっと話は逸れるが、最近、必ずと言っていいほど立ち止まってしまうお店がある。 宝蔵門から二軒ほど雷門方向に戻ったところある、江戸趣味小玩具の店『助六』さんだ。ガチャガチャと雑多な土産物屋さんが立ち並ぶ仲見世の中で、ちょっと硬派な佇まいにまず心奪われる。なんと江戸末期から営まれているというこちらのお店には、江戸趣味の小さくてかわいいおもちゃたちが、かわいいとは言い切れないお値段でならんでいるのだが、そのお値段も納得の細やかや愛らしさ、また江戸の風情が漂うものばかり。

店頭のディスプレイがまた素敵で、その時々の季節のものが並べてある。桃の節句が近いと小さなひな飾りなどが並び、端午の節句が近いと小さな鎧兜などの飾りが並ぶ。今日は、小さなほおづきの鉢。思わずショーウィンドーの中に手を伸ばし、手のひらの上で隅々まで眺め回したくなる。 写真撮影を禁止していらっしゃるので、撮って帰れないのが残念だが、次にここへ来て眺めるのがますます楽しみにもなる、私にとっては小さな博物館のような場所だ。

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諸岡 なほ子
諸岡 なほ子
福岡県大牟田市出身のタレントで、現在、一児の母。作詞家(MONA)としても活動。趣味は読書、散策、落語鑑賞、お祭見物&参加。世界遺産検定2級取得。TBS系「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンター、MBS「住人十色」訪問者など多数出演。著書に『地球のどこかの秘境から』(実業之日本社)。
オフィシャルブログ http://ameblo.jp/nahoko/