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 いつかは絶対行かなくちゃと思っていた場所のひとつが、谷中にあるカヤバ珈琲。実は一度、週末に伺ったことがあるのだが、表にあんまりにも長い行列ができていたのでその日はあきらめて退散してしまった。平日にあらためて来るぞと心に誓ってから、今回がようやくの訪問。天高く馬肥ゆる秋と言う言葉がぴったりの9月の終わり、私は千駄木の駅から最近オシャレなお店ができてきたと話題のヘビ道や、谷中のシンボル、三叉路にある樹齢およそ100年のヒマラヤ杉など眺めつつ向かった。

汗ばみながらたどり着いたカヤバ珈琲。>外観は木とレンガと屋根瓦というバラバラのアイテムを、山吹色の「Coffeeカヤバ」の看板が昭和の匂いたっぷりにまとめている。店の前に行列もなく、私はワクワクしながらドアを開けた。店内には、背の低いテーブルが並んでいて、案内された席に座ってみるとそのコンパクトさが妙に落ち着く。 天井はガラスばりになっていて、古い梁などが見えた。私はメニューを開きつつもすでに決めていた「たまごサンド」と「ルシアン」を注文。どちらも、以前のカヤバ珈琲時代から受け継がれたメニューだそうだ。

 そう、実はカヤバ珈琲にはちょっと素敵な歴史がある。現在も使用されている大正5年築の建物で、昭和13年から営業を開始し、谷中のシンボルとして長く創業者のご家族で営業を続けてこられた。 しかし、平成18年秋に経営者の方が亡くなったことで店を締められた。ところが、閉店を惜しむ声が多く、NPOや多くの人の協力を得て、閉店から3年後の平成21年に見事復活したのだ。 大正町屋の風情をしっかりと残しつつ改修された新生カヤバ珈琲には、カフェ好き、下町好き、古い建てもの好きなど、今もたくさんの人たちが集ってくる。

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諸岡 なほ子
諸岡 なほ子
福岡県大牟田市出身のタレントで、現在、一児の母。作詞家(MONA)としても活動。趣味は読書、散策、落語鑑賞、お祭見物&参加。世界遺産検定2級取得。TBS系「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンター、MBS「住人十色」訪問者など多数出演。著書に『地球のどこかの秘境から』(実業之日本社)。
オフィシャルブログ http://ameblo.jp/nahoko/