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オシャレや彼氏と無縁の5人のオタク女性が、共同生活をしているアパートの取り壊しを撤回させるために奮闘する映画『海月姫』。本作で、能年玲奈扮するヒロインと暮らす“和物オタク”の千絵子を演じたのが、お笑いコンビ「アジアン」の馬場園梓だ。

海外では「オタクカルチャー」は今や「日本」を語る上で欠かせないモノ。だが国内ではいまだ「暗い」「キモい」と偏見や奇異な目で見られることが多く、好印象で受け取られることはあまりない。「プロレスが好き」という馬場園は、「1回しかない人生なのだから、人目を気にしなくて良いと思います」とオタクにエール。

「なぜなら、オタクとはこだわりを持って生きている人のことだからです。他人に流されていない。だから、閉じこもる必要はないですし、博士のような顔をしていたら良い!」

過去にも映画出演はあるが、しかし「プレッシャーでものもらいができた」ほどの重圧が。主演・能年ら共演者に対して「迷惑をかけられないので緊張していました。でも能年さんも気さくに接してくださいましたし、川村泰祐監督からも『コメディーの部分はよろしくお願いします』と言われて、『お笑い芸人として(演技を)やってもいいんだ』と考えてからは、リラックスできました」と振り返る。

「実録モノの映画に出てみたい。奥さんが、夫に保険金をかけて殺害をする事件がたびたび報道されますが、決して美人ではない女性がどうして男性を手玉にとれるのか、演技を通して知りたい。お笑いでそういうコントをやると、どうしても人間味の限界がでてくるところがあります。映画は、人の心をえぐり、その闇をじっくり表現できると思います」と役者業にも意欲を示す。

馬場園にとって「人間味」はもっとも興味のあるテーマ。アジアンのコントには、ぺちゃくちゃとよく喋る大阪のオバちゃんなど、日常を切り取ったような描写がよく出てくる。また、ブサイクキャラで知られる相方・隅田美保のその容姿をしつこくイジることで、笑わせる。

「『自分はこういう人間なんだ』という信念は、その人しか持っていないもの。それを突き通すところで、人間臭さが表れてくる。コンプレックスにしても、暗く考えて終わるのではなく、生まれ持ったものを最大限に突き詰める方が良いじゃないですか。そういう人間味を、もっともっと楽しめるようになりたいです」

『海月姫』は全国公開中
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取材/文 田辺ユウキ(映画評論家)

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田辺 ユウキ
田辺 ユウキ
1979年生まれ。関西を拠点に映画評論家としてレビューやインタビューの執筆ほか、また映画と音楽のプロモーターも務める。2014年に大阪市映像事業「CO2」プロデューサー就任。「大森靖子映画祭」「いずこねこ 最後の猫トーク」などイベント企画も行う。